ともくんの2 (ページ36)

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rd× すきなとこページ36

シゲの好きなとこはたくさん言える。

でも、シゲが好きな俺のとこなんてひとつも言えない。

神「…ええ、そんなゲームやめよよ」

重「えーやん！神ちゃん！やろうや！」

神「でもっ…」

照史と淳太が持ちかけた変なゲーム。
正直、嫌な展開しか思い浮かばない。

正直に俺が書いて仕舞えば、シゲはきっと引くやろう。
そういってる間に椅子に座らされてバシバシとたたかれる。

濱「第一問！お互いの誕生日！」

それくらいなら、当たる。
メンバーの誰でも知ってるし、当たるよ。

小「第二問はお互いの好きなもの！」

ニラ…やろ、俺は甘いもん、とかなはず。

…

桐「第八問！シゲの好きなとこ。
　これは神ちゃんが好きなとこをシゲが当てて？」

重「わかるわかる！！そんなん！」

神「えぇ…、好きなとこ…」

笑顔？
明るいところかな？
センター！って感じ？
男らしいところ
もちろん優しいし…、

どこかなんて書かれへんもん。

重「ふふーん！俺かけた!」

神「…ん、俺も」

濱「せーの！！」

神重「「全部」」

重「ほらな！そやと思った！
　神ちゃんは俺のこと大好きやねん！」

藤「お前自意識過剰かよ！」

重「うるせえ！！はよ！次!」

小「じゃあ第九問！
　神ちゃんの好きなとこは？さっきの逆やな！」

俺の好きなとこ、？
シゲは一体俺なんかのどこが好きなんやろう。
大体言われたこともないのに、好きなんかな…、

あ、そう言えば昔、のんちゃんのこと犬みたいって喜んでた。
いやまてよ、何もできひん淳太が可愛いっていうてたっけ…

重「神ちゃんの好きなとこなんか簡単や！」

小「おい、でれんなって！」

ヒューヒューと口笛が鳴らされる中、不安が溜まった。
…俺、シゲのことわからへん。

中「じゃあせーの！！」

重「全部！！！！」

神「あっ…」

重「神ちゃん？」

結局何も書けず、ペンが止まってしまった。
怒ったように見えるシゲが俺を睨みつける。

重「なんで描かんの？」

神「ごめっ…間に合わんくて」

重「そんなんわかるやん、」

神「…ごめん、料理、とか？…違っちゃったな、ははは、」

重「なにそれ？」

神「…ごめん、あの、」

こんなゲームやめよう、そう言ったのに。
みんなが聞いてくれんかったからこんなんになったんや。
淳太の好きなとこならわかるのに、

重「はぁ、やめよやこんなん、」

そう言って大きな音を立てて破り捨てた紙には
俺の得意料理が書かれていた。