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rd× お互いに ※ ページ32

ふにゃふにゃ。

俺のことじゃないで?

「神ちゃん、無理やって」

「…ん、ちゅ、」

「勃たへんねんから、ごめんな?」

「…うん」

口から抜き取っても力なく倒れるソレに小さくため息が漏れた。
別に付き合ってないけど、こんな雰囲気になっても
俺たちは体を重ねたことはない。
キスして、体触り合いっこして、俺が逝って終わる。

体を重ねたい、いや、心ごと重なってしまいたいのは俺だけ。

しげにとったら、俺はもしかしたら邪魔やったんかもしれない。
じゃあなんで、俺とこんなとこに来んの?
なんでこんなことしようとすんの?

今日のキスだってしげから。

「神ちゃん?」

「…」

「神ちゃんってば!」

「へ?あ、ごめん、なに?」

「おいで?」

腕を広げて俺を招き入れてそって抱きしめる。
そのまま後ろに倒れてベッドに沈んだ。

「んは、かわええなあ、」

「くすぐったい、」

「もちもちやな、肌もすべすべや」

「…好きな人にな、振り向いてほしいもん」

「えっ、神ちゃん、好きな人おんの!?」

びっくりして俺の体を離して目を見開いた。
まあ、目の前にいるんですけどね、なんて言われへんけど。

「うん。でも、俺に興味ないみたいやねん。」

だって何したって勃たへんし。
しようと思ってないから?それとも魅力ないんかな。

「へえ、勿体ないなあ。こんな可愛いのに」

「…そう思ってくれてたらええけど」

「向こうには言わへんの?」

「うん。だって困らせちゃうだけやもん」

上の鏡に俺らの姿が映る。
しげは大の字になって腕に俺の頭を乗せたまま脱力して、
俺はしげの方を向いたまま体を丸めている。

…鏡が心映すってほんまやな。

「ええなあ、その人」

「そう?」

「うん。」

ってしげやねんけどな。…言わへんけど。
しげと目を最後に合わせたくて俺も仰向けに戻した。
シーツに溶けそうな俺の体と、
程よく色が焼けて、引き締まった体のしげ。

シーツや布団が乱れてないのは、何もなかったから。
お互い無表情のまま、なにもせずぼーっと鏡を見つめた。

「今日はしげ、泊まるん?」

「神ちゃんは?」

「…俺は、帰ろっかな」

今日で終わりにする。
いつもは隣で朝まで過ごすんやけど、今日はもういいや。
少しでもそばにいたくても俺はいる資格がない。

「…神ちゃん」

「ん?」

「ごめんな」

もしかして、バレてた?
俺の気持ちとか、しげとおりたいって。
だから…俺とは、

「んーん。俺こそ、ごめん」



好きになって、ごめん

rd× お互いに2 ※→←bl× 泡



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作者名:suta. | 作成日時:2022年9月18日 10時

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