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bl× 泡 ページ31

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「神ちゃん、別れたら?」

「え?なんで?」

「そんなん、酷いやん」

「んー、でもまあそれが流星やしなあ」

また無理して笑う。
俺にはわかるねん。ずっとシンメやったから。
他のみんなには隠せてるみたいやけど、
きっとあの顔は傷ついてるはずや。

「浮気ぐらいさしたらないと、男なんか嫌やろ?」

そう言って笑った神ちゃんを見たんはいつやったんやろ。
綺麗に笑って、明るく振る舞って。








「…神ちゃん?」

「ふふ、シゲにはバレてた?」

「うん」

「やっぱ無理や…っ、俺、我慢できひんっ…」

「神ちゃん…」

気づけば神ちゃんは手遅れなくらいボロボロになって
俺じゃどうしようもなくなってた。
流星は相変わらず女の子と遊んで、連絡もなくなった。
たまに帰ってきては抱いて、また居なくなるらしい。

楽屋で泣き疲れて寝てしまった神ちゃんに
俺のジャケットを掛けてやった。

「とも、寝てんの?」

「…おん。泣き疲れて寝てもうた」

「え?泣いてんの?」

「…」

「ともー、起きて。どーしたん?」

体を揺すって抱きしめると眠い目を擦って神ちゃんがすぐに起きた。
ぴくってしながら流星に寄せられるまま身を任している。

「起きた?」

「んぅ…、しげぇ、」

「…チッ」

「流星っ、ごめ、…」

「…はぁ、」

「…今日は〇〇さんのとこ行かへんの?」

「なんで知ってっ、」

「…ひどいわ、俺、好きやったのに…っ、」

「はいはい、別れたらええんやろ」

「えっ…、別れっ…ゎかった、、」

バタン、と大きな音を立てて出て行った流星を
神ちゃんはずっと見てた。震える背中を俺に向けて。

「神ちゃん…」

「俺な、ごめんって言うて欲しかっただけなん。
 ぎゅってして欲しかっただけ…。
 でも、流星は別れる方、選んだんやんな、」

俺がしたって意味なんかない。
わかってるのにいてもたってもいれんくて、
背中から腕を回した。
ただ泣き止んで欲しくて。

「…しげ、ありがとう」

「んーん。頼ってや」

「ん、ありがと」

そう笑った神ちゃんは、頬を引き攣らせて
無理矢理歯を見せた。

「な、神ちゃん」

「ん?」

「俺、傷ついてるとこにつけこむような狡いやつやねん。
 最低で、浅はかやねん。」

「…な、何言うて」

「好き。ずっと好きやった。」

「そんな…」

「だからこれからは俺が幸せにする。
 絶対、好きにさせる!泣かせへん!」

「…ふふ、ばか、」
















「ちゃんと、切り替えるから、時間ください」

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作者名:suta. | 作成日時:2022年9月18日 10時

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