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四十一 ページ43

留「そういえば小平太は?」

『今頃仙蔵のところですよ』


留三郎の髪を梳きながらそう答えると、廊下の方から足音が聞こえてきた。




___バンッッ!!!


七松「突撃〜〜〜〜!!!!」

仙蔵「ッ待て、小平太!!」


入ってたきたのは小平太と仙蔵

噂をすれば、というやつだ。



まるで腕白な犬の様に落ち着きのない小平太とそれを止めようと追いかける仙蔵だったが、仙蔵の行動は全く功を奏することなく、小平太が自然と止まるのを待つしかなかった。

暴走が終わった後の小平太は、ぐったりしてる仙蔵には見向きもせずに留三郎とキャッキャと話している。

七松「留三郎、随分綺麗になったなぁ!」

留「小平太も前よりは可愛くなったんじゃねぇか?」


仙蔵「たわけ!!所作が全くなっとらん」

『それに話し方も男のままです。直さねば……』


回復した仙蔵と私は、留三郎と小平太の女装を完璧にすべく特別講習を行うことにした。



_____



『よし……これであらかた教えましたよ…』

留「女って大変だなぁ……こんなにやることがあんのかよ」

七松「でもこれで完璧に女装を身に付けたぞ!!」

仙蔵「調子に乗るな!まだ付焼刃に過ぎん。大目に見て及第点といったところだ」


なんとか女子に見えるくらいまでに修正することが出来た。しかしここからが問題である。補習授業の内容は、

《一日町で恋仲のフリをして逢引を行い、町人に偽装だと悟られないように振る舞うこと》

これは見た目や所作だけでなく双方の演技力が試される。

普段通りの変装であればそう難しくないのだが、今回はよりにもよって“恋仲”という役どころ


生まれてこの方色恋沙汰など経験したことのない私にとって一番苦手な配役なのである。

(さて、どう乗り越えるか……)


考えても考えてもあまり良い答えは出ない。
このままでは夕刻になってしまうので、私は考えるより先に行動を起こすことにした。

私は留三郎に門で待っているようにと告げて、三人を部屋から追い出して準備を始めた。




髪をいつもより上の方で結って男物の服を身に纏うと、それだけでも中性的な男に見えなくもなかった。


女の割に背が高くて良かったと思っている。

この顔も、そう可愛らしいものでなくて良かった。



『……お母さん』



呟いた言葉は誰にも届かぬまま静寂に消えた。

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 忍たま , 愛され・逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高  (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時

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