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二十 ページ22

門の近くまで来ると、掃き掃除している小松田さんの姿があった。

その時、幾人かの足音が聞こえて私はサッと木陰に身を隠した。


「小松田さーーーーん」


(これは三郎次の声…ってことは、火薬委員会か)


声が聞こえた方に視線を移すと、私はある異変に気が付いた。


(あんな金髪の生徒、四年生にいたっけ……?)


見たことのない生徒が三郎次の横に立っていたのである。


三郎次達と同じように資料を持っているから、恐らくこの人も火薬委員なのだろう。

それにしても私が会計委員会の仕事に没頭していたこの数日で新たに生徒が編入していたなんて知らなかった。


どうやら話を聞く限り、六年生のいない火薬委員会は小松田さんに助けを求めているらしい。

(小松田さんはへっぽこ事務員だからなぁ……頼りになるか不安だ)





兵助「何をしてるんだ!!早く行かないと予算を取られてしまうぞ!!」

あとから駆けつけた久々知兵助はそう言ってから、視線を私のいる木陰に移した。



兵助「しかも、俺達を見ている奴もいるようだ」

「「「ええぇぇぇ?!!」」」


どうやらバレてしまったらしい。



『どうしてわかったんですか?』

私が火薬委員会の方へ出て行くと皆吃驚した様な顔をしてこちらを向いた。


兵助「A先輩?!」

『あれ?まだ誰だかわかっていなかったんですね。隠れたまま出てこなければ良かったでしょうか』

兵助「何で貴方が此処にいるんですか?!……まさか、各委員会の偵察……?」

『ご名答』


私がそう言うと三郎次や伊助達が嫌そうな笑みを浮かべた。

(そんな露骨に表情に出されると傷つくなぁ)


でも、その中で一人だけニコニコと笑顔で近づいてきたのはさっきの編入生だった。


タカ丸「初めまして、斉藤タカ丸っていいます!!もしかして君がAちゃんなのかな?」

『え……はい、そうですけど……』

タカ丸「会えて嬉しいな〜!!あ、ぼく四年生だけど歳は六年生と一緒なんだよ!だから、同い年だね」

『ああ、だから“ちゃん”付けなんですね』

タカ丸「そうなんだ〜!それにしてもビックリしたよ!!Aちゃんの髪ってとても不思議な色してるんだね!きらきら光ってて綺麗な白色」

『え、』

タカ丸「ぼく元髪結いで、髪のこととなるとついつい色々知りたくなっちゃうんだ。この髪は何かで染めてるの?」


そう言ってタカ丸さんは私の髪を触った。




__髪色


それについて言及されたのは、いつぶりだろう。

二十一→←十九「予算会議」(17期76〜78話)



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設定タグ:忍たま乱太郎 , 忍たま , 愛され・逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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ゆかり(プロフ) - あー、喜八郎と一緒に寝たい人生だった (12月24日 18時) (レス) @page16 id: c2f7bbb147 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 夢主さん最高  (2023年3月13日 19時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ餅 - 面白かったです✨(*`▽´*) (2023年2月22日 0時) (レス) @page50 id: 12d02573a8 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 面白かった〜 (2023年2月15日 0時) (レス) @page50 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - お話良かったです、素敵な作品ありがとうございます。 (2022年7月29日 13時) (レス) @page50 id: 5834c2d9fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホシ | 作成日時:2021年12月31日 3時

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