第八訓 ページ9
土方/沖田「!」
土方「俺達を笑顔にするためにくれたのか?」
沖田「俺達アンタに酷く接したんだぜィ?」
『そんな事ないです。沖田さん達は何も悪くないですよ。悪いのはボクですし。あの二人確か神威さんも高杉さんも指名手配の人達なんですよね?』
土方「ああ……。お前とは仲良いんだろ?」
『はい。それはもちろん仲良いですよ。ボクも一応夜兎族ですからね。周りからは夜兎族は戦闘を好むと言われてますがボクは闘うのは苦手なんです。育ててくれたおじさんが病気で亡くなった時もボクが殺したと疑われててそれはかなりショックでしたね』
沖田「おじさん……?親御さんはいないんですかィ?」
『おじさんから聞いた話なのですがボクも両親はボクが産まれた日に交通事故で亡くなったそうです。まあ……ボクも一緒の車に乗っていたのですがボクだけが奇跡的に助かったそうです』
Aは一瞬寂しそうな表情を見せたが二人が落ち込まないように笑顔を見せた。
沖田「無理に……笑なくても良いですぜィ?」
沖田さんは我慢しようとするAの肩を持ち抱き寄せ優しく抱きしめた。
『……!!沖田さ……?』
沖田「Aは俺よりも辛い過去を持っているんですねィ……。そんなの辛いに決まってまさァ……」
『……』
沖田「良く我慢していやしたねィ……。周りには他に人は居なかったんですかィ?」
『……いません。ボクはおじさんの治療費を稼ぐためにずっと働きに出てましたが……。でも……っ間に合わなくて……。とにかく宇宙から離れたい気持ちで地球に来たんです……』
土方「そうだったのか……」
土方さんもAの話を聞き心配そうに頭を撫でた。
土方「我慢するな……。それ程の大きい傷を持ってんのにAは強いな……。普通俺だったら耐えられない……。なのにお前は優しくて……」
『土方さ……っ』
土方「泣いても良い……。辛い気持ちは全部吐き出せよ……」
『でも……』
沖田「泣きてェ時に泣けねェってのは案外キツイですぜィ……?」
『沖田さ……、土方さ……、う……っ。すみません……っ』
Aは土方さんと沖田さんの優しさが嬉しくて今まで苦しかった気持ちが一気に出てきた。
『本当は……。誰かに甘えてみたかったんです……っ。頼りたくても周りから冷たい目で見られて……』
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作者名:白雪 | 作成日時:2019年9月5日 20時