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5話 ページ8

シルクに最初に相談を受けたあの日以来、私たちの会話の話題は恋愛トークが圧倒的に多くなった。




今日こんなことがあったとか、好きな子と話せたとか、今度一緒に遊びに行くとか。



始めのうちは嬉しそうに話をするシルクを微笑ましく思いながら聞いていた。


でも、次第に自分も知らない、複雑な気持ちがいることに気付く。




シルクとシルクの好きな子の仲が深まっていくにつれて、そのモヤモヤは大きくなった。



それでも私はその感情に気づかないフリをして笑う。


この気持ちに気づいたら、もうここでシルクと会うことはできないと思ったから。





けれど、運命というものは残酷で。


恐れていたことが起きてしまう。





いつも通りの公園。
やってきたシルクはなんだかとても嬉しそうで、幸せそうだった。




嫌な予感が駆け巡る。



たぶん、彼が口を開かなくても何を言うかはわかる気がする。




「A!聞いてくれよ!」



今まで見たこともないような幸せそうな表情で。



やめて、言わないで。


その言葉で気付いてしまうから。


そして、終わってしまうから。









「俺さ、あの子と付き合うことになった。」








「そうなの!?んぇぇおめでとう!!」









私いま、笑えてる?

君のこと、本当に祝福できてる?




私にとって決して幸せな報告ではないというのに、嬉しそうに笑うシルクをかわいいな、なんて思ってしまう。





そんな矛盾を抱えるほど、たぶん私は。






「じゃあもうシルクがここに来ること、あんまりなくなっちゃうのかぁ…さみしいな。」






いつの間にか、この場所でしか会えない彼に心を奪われていたんだ。

6話→←番外編その2



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www - 続きって書けますか? (2019年11月3日 14時) (レス) id: c017dbb3ff (このIDを非表示/違反報告)
www - なるかさん» でしょでしょ?!(笑) (2019年10月5日 21時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)
なるか(プロフ) - wwwさん» これは、続き気になりますねー (2019年10月4日 22時) (レス) id: cc5fc6c73c (このIDを非表示/違反報告)
カレン(プロフ) - できたらで良いのですが、番外編のような形で今日の深イイ書いて欲しいです。お願いします。 (2019年9月30日 22時) (レス) id: b3e45f8b93 (このIDを非表示/違反報告)
www - 更新よろしく☆ (2019年9月29日 16時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年9月5日 0時

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