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「あの…」
「!?」
突然、女の子の声がした。
振り返ってみると、ダボっとしたシャツにショートパンツを穿いた、サイドテールが良く似合う高校生くらいの少女が立っていた。
「え…と…君は、誰?
どうしてこんな山奥の神社にいるの?」
視聴者さんだろうか?
いやいや、だからと言ってこんな所に来るはずがない。
すると少女は少しだけ顔をしかめて言い放った。
「それはこっちの台詞。
こんな場所に一体、何をしに来たの。」
「山を歩いていたら偶然ここの神社を見つけて、気になったから来てみたんです。
もしかして、この神社の管理人さんですか?
あの、ここって…?」
俺らがここに来た経緯を説明すると、彼女は呆れたように溜め息を零した。
「ほんとに何も知らずにここに来たんだ。
ここはあなた達のような人が居ていい場所ではないの。お帰りください。」
そう言って少女は俺らを睨みつけた。
なぜそんなにも敵意を剥き出しにされているのかはわからない。
しかし、管理人である彼女が「帰れ」と言っている以上、俺らも帰らざるを得なくなってしまった。
「分かりました。
けど、教えてください。ここは一体、どんな所なんですか?」
この場所の正体がわからない限り、簡単に帰る訳にはいかない。
生まれてからずっと居たはずの地元に、こんな神社があるなんて誰からも聞いたことがない。
「教えない。早く帰って。」
「教えてくれたら素直に帰るよ。俺らだって、ずっと住んでいた地元に知らない場所があって戸惑ってるんだ。」
あまりにもきっぱりと言い切る彼女に、思わずこっちまで臨戦態勢に入ってしまう。
「シルク、あんま攻撃的になるなよ。
けど、本当にそうなんです。この場所の正体が知れたら僕たちも帰るので。」
マサイが俺を制しながら仲介をしてくれる。
ここが何処なのか知りたいのは、みんなだって一緒なのだ。
「事情はわかった。けれど今は無理なの。
もし、本当に知りたいのであれば、5日後に此処に来て。そうしたら、話してあげるから。」
その言葉を聞き、相手の事情を考えていなかった自分に少し反省をする。
少女にも何か理由がある事を悟り、俺たち4人は神社を後にした。
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りんてん - え、もう感動して涙がポロポロ...。 泣けました!素晴らしいです!! (2019年10月25日 23時) (レス) id: e2668604a6 (このIDを非表示/違反報告)
どこか村のだれかさん - 気づいたら読み終わってました!面白かったです! (2019年9月9日 0時) (レス) id: 3706e8b566 (このIDを非表示/違反報告)
バニレ - とても面白かったです。更新待ってます。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 527198f7e6 (このIDを非表示/違反報告)
www - イエ―イ!面白いよ!相変わらず!w (2019年8月26日 17時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月25日 21時