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しばらくすると、何かが見えてきた。


「なぁ、シルク。なんだあれ?」

ぺけが上り坂になっていた獣道の先を指さし俺に伝える。

「…鳥居か?

いや違うな、それだけじゃない。神社がある。」


「おいまじかよシルク。もう20年以上この町に住んでるのにこの山に神社があるなんて話聞いた事ないぜ?」


「俺だってねぇよ。てかマサイがないんだったらみんなないだろ。」


さらに近づくと、鳥居に掛けられている『空聖神社』という文字が見えた。

「あれなんて読むんだ…?

くう………せい………?」


「見たことも聞いた事もない名前の神社だなぁ〜
でも随分昔からある神社っぽいよね、だいぶ古い。」


「確かにモトキの言う通りだ。シルク、少しだけ見てみようよ。」


そう言ったぺけを筆頭に俺らは鳥居をくぐった。


ぞくり、と身体の中を何かが駆け巡る感覚がした。

霊とかそういうのとはまた違った、なんだか懐かしい感覚。



「なんかここ、いいな。」


「シルクもそう思った?なんだか落ち着くよね。雰囲気というか。」


モトキも俺と同じように感じたらしい。

神社特有の、神聖で厳かな雰囲気がとても心地いい。


どこかでひぐらしが鳴いている。

7月まではあんなにうるさかった蝉の声がいつの間にかとても小さくなってしまったことに気づき、もの寂しさを感じた。


今年の夏もたくさんの思い出で溢れている。



…あぁ、この夏が終わらなければいいのに。

参→←壱



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りんてん - え、もう感動して涙がポロポロ...。 泣けました!素晴らしいです!! (2019年10月25日 23時) (レス) id: e2668604a6 (このIDを非表示/違反報告)
どこか村のだれかさん - 気づいたら読み終わってました!面白かったです! (2019年9月9日 0時) (レス) id: 3706e8b566 (このIDを非表示/違反報告)
バニレ - とても面白かったです。更新待ってます。 (2019年8月28日 12時) (レス) id: 527198f7e6 (このIDを非表示/違反報告)
www - イエ―イ!面白いよ!相変わらず!w (2019年8月26日 17時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月25日 21時

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