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拾参 ページ14

「よし。行くぞ。
帰るんだ、9月に。」


そうして俺らは皆、形代に息を吹きかけ、それを咥える。



最初にぺけが鳥居をくぐる。
それにマサイ、モトキの順で続いた。




最後は俺たち。

俺は空蝉と目を合わせて頷き合う。

1歩、また1歩と鳥居に向かって歩みを進める。

俺が鳥居をくぐり終えると、不思議と形代が無くなっていてさっきまでと明らかに何かが違うことを感じた。





その瞬間、空蝉と繋いでいた方の手に衝撃を感じる。


そちらに目をやると彼女は鳥居を出る直前というところで「何か」に強い力で神社へと引き寄せられていた。


「空蝉!!」


彼女の名を呼び、こちらからも力の限り彼女の手を引く。




空蝉は形代を咥えているため声を発することが出来ないが、その瞳は手を離せと訴えかけていた。



そんな彼女に俺は思いの丈を全て込めて叫んだ。


「離すわけねぇだろ!!
言ったじゃねぇか!俺がお前の願いを叶えるって!

願いは、叶えてもらうものじゃねぇ!自分自身で叶えるもんだ!
それを教えてくれたのはお前だろ!?だからお前が諦めちゃいけないんだよ!!」


俺がそう伝えると、彼女の目に涙が浮かぶ。

空蝉は頷くと俺の手をより一層強く握った。




…例え、望んだ結果にならなかったとしても、俺は空蝉の願いを叶えるんだ。



先に出ていたマサイ、モトキ、ぺけも俺と一緒に空蝉の手を引く。





俺たちは4人で彼女を引き戻そうとする「何か」に抗った。








すると突然、突風が俺たちの体を包み込む。


あまりの風に、思わず目を閉じてしまう。
俺は絶対に空蝉の手を離さなかった。

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りんてん - え、もう感動して涙がポロポロ...。 泣けました!素晴らしいです!! (10月25日 23時) (レス) id: e2668604a6 (このIDを非表示/違反報告)
どこか村のだれかさん - 気づいたら読み終わってました!面白かったです! (9月9日 0時) (レス) id: 3706e8b566 (このIDを非表示/違反報告)
バニレ - とても面白かったです。更新待ってます。 (8月28日 12時) (レス) id: 527198f7e6 (このIDを非表示/違反報告)
www - イエ―イ!面白いよ!相変わらず!w (8月26日 17時) (レス) id: bb2f701b11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:來(らい) | 作成日時:2019年8月25日 21時

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