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30話 ページ34

｢ ここまでの私を好きでいてくれた人、これからの私も好きでいてくれる人、そして、私に勇気をくれた人に感謝を届けます。」



会場の全員が、息を呑んでいるのがわかる。






大好きだった人の曲を、
私を好きでいてくれるみんなと大切な人に。



伝える。






「聴いてください。『Hello,My story』。」






私がそう呟いた瞬間、会場からは悲鳴が上がった。



歓声なのか、驚きなのかはわからない。




どんな風に思われても、私は私だから。



僕がこの手を掴んだら
二度と離しはしないから




あの日の光景が、フラッシュバックする。



『今は、泣こう？』




私の全てを受け止めてくれた人。




歪んだ世界だ
綺麗なものなど何一つないと思っていた




『Aちゃんはえらいよ。今まで、よく頑張ったね。』



自分でも見つけられなかった、1番欲しかった言葉を掛けてくれた人。





君が僕の世界を変えてくれたんだ

Hello, My story




『あのさ、見てて辛いんだよね。君のこと。』





私を、救ってくれた人。







ごらんあの月のように君を照らしたい



ちらりと天月くんがいる方を向く。







ありがとう。君を好きになれたおかげで、大切なものを見つけられた。

毎日がすごく、楽しかった。




気のせいかもしれないけれど、天月くんの目が潤んでいるようにも見えた。

私の歌が、君に伝わってるかな？





他の誰かじゃなくて君だけでいい



天月くんの方から目線を移すと、モトキくんと目が合う。



天月くんへの気持ちが嘘だったわけじゃない。


それでも、私は。




太陽のように強くなれないかもしれない
それでも優しくなりたい!





私は歌いながらモトキくんに向かって笑いかける。


今までの感謝と、想いを全て込めて。





これからも君の手を離さない
共に言おう「Hello, My story」









モトキくん、あなたのことが。









…だいすきです。

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