▽難易度を選択してください【Fischer's】

27話 ページ31

私の2ndアルバムが発売し、それに伴って全国ツアーも始まった。



ツアーが始まってからというもの、全く関東には帰れておらず、友達にも会えていない。



それでもライブは楽しくて、気が付けば今日の公演を含めあと2公演というところまできてしまっていた。



結局、決まっていなかったライブの最後の楽曲は仮決定の曲のまま進行している。




今日もありがたいことにたくさんのリスナーさんたちが会場に足を運んでくれた。




「るりまっちゃさーん。そろそろ準備をお願いします！」



時間になり、スタッフさんが私を呼びに来てくれる。



さぁ、今日も楽しみますか…！



気合を入れて私はステージへと向かった。








△▼△▼△▼






「ありがとうございましたー！！またどこかで！！」




アンコールまでライブを終え、私はステージから降りる。



たくさんのペンライトが輝く、この景色を焼き付けて。


何度観ても綺麗だった。

この景色を作り上げることが出来るのは、リスナーの皆と支えてくれた家族や友人のおかげ。



次で最後となってしまうツアー。




「次で最後…かぁ…」



誰もいないホテルの一室で思わず呟きが零れる。



最後は、皆が来てくれる。

つっきーもFischer'sのみんなだって招待した。




今の私がいるのは、つっきーと









…モトキくんのおかげ。





モトキくんの家に泊まってしまった(？)あの日以来、彼とはLINEでしか話せていない。


お礼、しなきゃ。






「…そうか。」







不意に1つの案が舞い降りてきた。


我ながらかなり無理な話かもしれない。

けれど、彼らに感謝を伝えるにはこれが1番なのではないだろうか。




私はスマホを手に取り、とある人物に電話をかける。




「もしもし、るりちゃん？どしたの？ライブ終わりでしょ？」



「夜遅くにごめんね！

実は、つっきーにお願いがあって…」

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