【オリジナル】死人に口無し (ページ5)

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「クチナシさんの噂」ページ5

風呂に入り、ご飯を食べて
自分の部屋に行った。
ベッドの上で横になり、
天井をじっと見た。

まゆ「...そう言えば、
私があんな目に合うようになったのは
あの変な噂が始まったときから
だった気がする...。」

変な噂、それは私の学校から
どうやら広まったらしい。
学校の七不思議のような怖いものだった。
みんなご存知の「こっくりさん」の
亜種っぽいが、「クチナシさん」と
いうものが今、高校で流行っているのだ。

内容は、こっくりさんに似ていて
平仮名と0から9までの数字が書かれていて、
その上の真ん中は赤黒い鳥居。
鳥居の横には「はい」と「いいえ」が
書かれてある紙を用意する。
鳥居の真ん中に参加者全員の血を垂らし
こう言うのだ。

「さぁさぁおいでなされ
クチナシさん。
私の血と引き換えに私の
不満を聞いてください。

ずっと前から〇〇のことが...

...私の不満を聞いてくださって
ありがとうございます。
さぁさぁお帰りください
クチナシさん。
どうかあの子に不幸な目に
遭いますように。」

するとクチナシという幽霊が
その場に来て愚痴を聞いてくれるらしい。
不幸な目に遭わせてくださいと言うと
紙に書いてある文字に
血のようなシミで「分かりました。」と
答えるようだ。

この変な噂からいじめられるようになった。
しかも放課後、トイレで
水をかけた子はそれなりに仲の良い
友達だったのだ。
この噂が本当なら、誰かが
私をクチナシさんに言ったのだろう。