水が34L ページ34
「何言ってるのよ、アンタ。バカね、ほんと。」
極力、みんなの顔を見ないように下を向く。
見たくない。みんなが私を望んでいない顔を。
そう思っていたのに、すっと頬に伸ばされる手から微かに柑橘系の香りがふわりと鼻をくすぐる。
ゆっくりと目線を上げれば、苦しそうに微笑むナミ。
「誰が、アンタのことを嫌いになんてなるのよ。」
「そうだぜ、Aちゃん。俺たちは、誰一人として君が欠けることを望んじゃいねぇ」
溢れ出す私の涙を、必死に拭うサンジさんとナミ。
それにつられて泣き始める、チョッパーとウソップ。それからルフィ。
『でも、皆は、私が居ると迷惑だったんじゃ·····？』
私がそう告げれば、「何に対してそう思ったの？」と首を傾げるロビン。
それに続けるように、口を開いてみる。
『だって、私が起きたら迷惑そうにしてたでしょ·····？』
「あら、それは誤解だわ。あなたが前日の日付が変わる時間まで掃除をしていたから心配してかけた言葉だったのだけれど。」
ロビンの回答に目を丸くして『え？』と声を漏らせば、ルフィが隣でニマニマと笑顔になる。
『じゃ、チョッパーが私に呆れてたのって·····』
「オマエに、あんな思いをさせちまったんだ。オレ自信に呆れてただけだ。オマエは何も悪くねぇ！」
『なら！ 私がナミにお金のことで相談した時に怒ってたのは·····？』
「あー、あれね。あの日は、Aが来る前に何人もお金をせびる奴がいたのよ。だから、アンタも頼まれてきたんじゃないかと思って·····ごめんなさいね。勘違いだってあとから気づいたのよ。」
ナミがギロリと私の横へ視線を向ければ、ルフィとゾロとウソップが顔が青ざめていく。
『なら、ウソップとフランキーが私に怒鳴ったのって·····』
「あれは、俺たちが作っていた材料に危ないもんがあってな。」
「それで、スーパーやばいから俺たちが焦って怒鳴っちまったって訳だぜ！」
その後も、みんなに一つづつ聞いていくけれど全てお互いの勘違いによるものだった。
みんなは私の事を嫌っていたわけでも、なんでもない。
「な？俺達は、みんなお前のことが好きだ。間違いない。」
ニシシと歯を見せて勢いよく笑うルフィ。
『ごめんなさい。わたし、私。嫌われてると思ってた。私は、役に立たないから、だから、仲間だと思われてないと思ってたの·····』
違った。
皆は、ずっと私を見てくれていた。
『ありがとう』
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パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» その為、作中他の女性陣にもメロメロになっているシーンがありますのでこれといって特別恋愛感情がある訳でも描写している訳でもございませんが、今後の展開も含めてご自由にご解釈なさって頂ければなと思います。この度は、コメント有難う御座いました。 (6月11日 3時) (
レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» 傷が何かしらで開いてしまった際に対応できるように”治るまでは、船にいて”の意味合いがあります。また、サンジは夢主の事は仲間という認識です。恋愛意識は無いですが、他の女性陣同様キャッキャさせております。 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» まず1つ目として、夢主は深い傷を背中におっています。傷もまだ治りきっておらず、海の中に潜り手を伸ばし力を入れるだけで傷が再度開いてしまう。というものを作中で表現させて頂いております。そのため、傷を負っている夢主から目を離さないように、 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
パチュリー(プロフ) - ときたま忍者になる大根さん» 御意見御感想をお寄せ頂き誠に有難う御座います。本編の拙い文で理解ができない部分が多々ありましたようで、大変申し訳御座いません。此方のコメント欄にてお答えさせて頂きます。 (6月11日 3時) (レス) id: 319e9235c5 (このIDを非表示/違反報告)
ときたま忍者になる大根(プロフ) - 夢主がみんなに嫌われていなかったというのはわかるんですが、それならなぜ外出させてくれなかったんでしょうか？あとサンジの夢主への態度がほかの女性とは違う気がするのですがこれはサンジが夢主のことを恋愛的な目で見ているからなど意味が含まれているのですか？ (6月10日 5時) (レス) id: 2086425a99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月26日 0時
