幼児退行 / fkr -ルルさんリク- ページ34
ピピピピッ
静かな部屋に響く、電子音。
脇からそれを取り出すと
福良「うわ……やばぁ……」
39度5分って何?子供の頃でもこんな熱、出したことないよ。
でも、仕事を休むなんて選択肢は最初からなくて、どうやったら隠し通せるかな?なんて考えている自分がいる。
仕事を休むなんて、俺の感覚的には法を犯すのと同じくらいに悪いことっていう感じがするから。
重い身体をゆっくりと動かしながら、俺はオフィスへと向かった。
オフィスに着いたは良いものの、頭が重すぎてボーッとしている。
目の前にある鉄の塊は眩しい光りを放って、俺の体調を更に悪化させるだけだった。
伊沢「くらさん……福良さん……!福良さん!」
福良「……あ、何?」
伊沢「何?じゃないですよ。めっちゃ顔が赤いですよ?絶対に熱、ありますよね?」
折角頑張ってオフィスまで来たのに、今の俺は隠すことよりしんどさの方が勝っている。
素直にコクッと頷くと、伊沢に無理やり仮眠室へと連れて行かれた。
伊沢「俺、冷えピタとか体温計とか諸々持ってくるんで、ちゃんと大人しく横になっていて下さいね」
伊沢は、俺が頷いたのをしっかりと確かめてから仮眠室を出た。
〜izw side〜
冷蔵庫に入っている冷えピタを取り出し、ついでに水も取り出して、体温計が入っているであろう救急箱を漁り、俺は仮眠室に戻った。
仮眠室のドアノブを掴んだ時
伊沢「泣き声……?」
この中にいるのって、福良さんだけだよね?
確かに福良さんの声っぽい気はするんだけれど……。
何で泣き声?
しかも幼子のような泣き方だし……。
考えているより、このドアを開けてしまった方がきっと答えが分かるのが早いだろう。
ガチャッとドアを押し開けると、そこには目に涙をいっぱい溜めながら、こちらを見る福良さんがいた。
伊沢「福良さん……?」
福良「たあくん、遅いよぉ……!」
伊沢「た、たあくん!?」
俺、そんな呼ばれ方、今まで生きてきた中で1度もされたことないぞ。
福良「1人、こわかったあ……!」
そう言いながら潤んだ瞳で上目遣いで見つめてくる。
伊沢「ごめんね?怖かったね……」
取り敢えず、福良さんの言葉をなぞっていく。
これって、幼児退行ってやつ?
聞いたことはあったけれど、本当になるんだ……。
274人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛花(プロフ) - ゆあるさん» いえいえ、早めに教えて下さったので修正出来ました!こちらこそいつも読んで下さりありがとうございます(*^^*) (2021年4月4日 11時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
ゆある(プロフ) - 素早い修正ありがとうございます。これからもこの作品を楽しみにしています。 (2021年4月4日 10時) (レス) id: b5adb7b493 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - ゆあるさん» すみません、今修正させて頂きましたので、12の方へ飛べると思います!教えて下さりありがとうございました! (2021年4月4日 10時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
ゆある(プロフ) - すみません。リンクが体調が不良気味のようです【QK】12に繋がらないのですが、どうすれば良いですか? (2021年4月4日 10時) (レス) id: b5adb7b493 (このIDを非表示/違反報告)
凛花(プロフ) - ルルさん» なるべくこれからも週1ペースは守ろうと思っていますので、たまにめちゃくちゃあいた時は、ゆっくりとお待ち頂けると嬉しいです。暖かいお言葉を下さり、ありがとうございます(*^^*) (2021年4月2日 5時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:凛花 | 作成日時:2021年1月10日 21時