Story14 ページ15
それから1週間が続いたある日。
貴「伊野尾さん。傷、結構治ってきたんじゃないですか?」
前まで痛々しく赤かった傷が、今はまだ少しだけど肌色に変わってきていた。
慧「そうなんだよね。実は今朝、先生に3日後には退院できるって言われたんだよ」
貴「そうなんですか!良かったですね……!」
何でだろ?
喜ばしいことなのに、素直に喜べない自分がいる。
やっと伊野尾さんが元気になって退院できるのに……。
慧「……どうかした?」
貴「え……?」
慧「いや、何だか……寂しそう?だから」
寂しそう?私、寂しそうに見えてるの?
でも確かに、退院したら伊野尾さんと会えなくなるかもって思って、そしたら素直に喜べなくなって……。
私、寂しいのか……。
でも、私が寂しがる理由なんてないよね……。
だからあえて
貴「そ、そんなことないですよ……!寂しく思う理由なんて、私にはないですから」
本心は隠すことにした。
慧「そうだね……」
伊野尾さんは、少しうつむき加減でそう言った。
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山田涼介
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凛花(プロフ) - なみさん» そんなお言葉を頂けたのは初めてで、光栄です!ありがとうございます(*^^*) (2020年1月3日 11時) (レス) id: 322dd9cdae (このIDを非表示/違反報告)
なみ - これまで読んだうらつく小説の中で、涙が出たのは初めてでした。ありがとう。 (2020年1月3日 2時) (レス) id: 23d74d7694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凛花 | 作成日時:2019年8月6日 15時