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『いいえ。
服を貸して頂いただけで、私はココのスタッフではありません。』
凛夜があまりにもすんなりと暴露したため、盗一は一瞬固まった。
凛夜ほどの赤い髪色をしていれば目立って盗一も気づくはずだが、そんなスタッフがいなかったコトを盗一は把握していたからである。
つまり、盗一は凛夜が入ってきた時点でココのスタッフでは無いと見抜いていたのだ。
だが、凛夜にとってはそんなコトは予想内だった。
しばらくして、盗一が硬直から覚め、話しを繋げた。
盗一「…そうか。
分かった。助けてくれたお礼にこれ以上は聞かないでおこう。」
『助かります。
…黒羽さんはコレからどうなさるおつもりですか?』
凛夜は確認のために盗一にたずねた。
盗一「死ぬ訳にはいかないだろう。」
『そうですね。
ですが、死ななければいずれ家族に被害がいくかもしれませんよ?』
盗一「あぁ、そうだな。
君も分かっているんだろう?
答えは1つだ。」
『そうですね。
健闘を祈っています。
それでは私はコレで失礼します。』
盗一「待ってくれ!!」
さっさと去ろうとした凛夜を盗一は呼び止めた。
凛夜はドアに戻していた身体を盗一に再度向け直し『何か?』と聞いた。
盗一「君は知っているんだろう?」
盗一の言葉に凛夜は『はい。』と一言だけ返した。
その言葉を聞いた盗一は少し考えた後、凛夜に提案をした。
盗一「…ならば、協力してはくれないかい?」
『協力…ですか?』
盗一「あぁ。
マジックショーは私が自分で何とかしよう。
その他なのだが…」
盗一は言葉を濁しながら凛夜を見た。
何かを確信しているかの様な顔で。
凛夜はそれを見ると、迷う事なく答えた。
『分かりました。
では、黒羽さんの新しい戸籍でも作るとします。
よろしいですか?』
凛夜の返答に盗一は笑顔で「助かるよ」と返した。
『名前は池田秀一。
コレで登録しておきます。
その他の詳しいコトはメールでお伝えします。
よろしいですか?』
盗一「池田…秀一…。
悪くないな。よろしく頼むよ」
『はい。かしこまりました。
では、私は失礼します。
…マジックショー楽しみにしています。』
盗一「あぁ。」
盗一の声を聞いた凛夜は一礼をして控え室から出た。
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waka - 頑張ってください!面白いです! (2020年2月9日 12時) (レス) id: d89abf58ed (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - れーなさん» コメントありがとうございます!!少しずつですが頑張ります!! (2019年11月23日 22時) (レス) id: 426b01e604 (このIDを非表示/違反報告)
れーな(プロフ) - 頑張って下さい面白いです!続きも楽しみにしてます! (2019年11月22日 16時) (レス) id: e024eab803 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 25話にも誤字がありました。「以外そうに」ではなく、「意外そうに」です。また、「以外か」ではなく、「意外か」です。 (2019年7月19日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 24話にも誤字がありました。「見たいだよ」ではなく、「みたいだよ」です。 (2019年7月19日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:siki | 作成日時:2019年4月8日 6時