【d!】85%の敬愛 (ページ18)

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｢部屋、気に入ってくれた？｣

どの席に座れば良いのか分からず戸惑っていると、後ろから声をかけられた。
驚いて振り返ると、そこに居たのはシャオロンさんだった。
整った顔立ちと少し長めの髪、大きめのオーバーオール。可愛らしい印象を受けるその男は、どうやら私の部屋のデザインを考えてくれたらしい。

『すっごく可愛かったです。私の部屋にしてしまうには惜しいくらい…』

｢あはは、喜んでもらえてよかった｣

彼が椅子を引いてくれたので、自然と私もそこに座る。彼は私の隣に腰掛け、じっと私の顔を見てきた。

｢ふーん｣

何だろう。私の顔に何かついているのだろうか…
なんとなく気まずいと感じて視線を逸らすと、彼もあっさり違う方を向いた。

｢隣ええか？｣

人数が揃い始めて椅子に座る人達が増えてくると、私の隣に座ろうとしてくる人がもう1人居た。

『全然大丈夫ですよ、トントンさん』

｢えー俺独り占めしようと思ってたんやけド｣

｢うるさいわ、ここにいる奴らは全員何しでかすか分からんねん…1人にさせたあかんやろ｣

｢そういうトントンが1番危なかったりして｣

｢お前に言われたない｣

そうこうしているうちに食事が始まった。
両隣の人が刺激的な人達じゃなかった為、ゆっくり食事を摂ることが出来、久々に安心できた気がした。
そしてご飯がすごく美味しかった。
途中でゾムさんが来て、何やらトントンさんに半ば無理やり食べ物を渡して居た。青い顔をしたトントンさんをみんなが笑い、それにつられて私も少しの間色々忘れて楽しむことができた。
薄々分かってはいたが、この人たちは幹部という立場らしい。側近はトントンさんのようで、苦労しているといくつか愚痴を零してくれた。
グルッペンさんがこの後どうしたらいいか決めてくれて、私はお風呂に入ってから部屋でゆっくりすることになった。
漫画の読み過ぎで裏で暗躍している人達は怖い印象があったが、実際そうでもないのかもしれない。

──────

『あとで私の部屋に遊びに来るって言ってたしはやくお風呂に入らなきゃ…え、これパジャマ？女の子らしすぎて違和感…』

夕食から少し経ち、私は入浴の準備をしていた。
いつの間にか部屋に置かれていたパジャマを持って部屋を出る。

──────

ピンク色の可愛らしいパジャマの襟の裏。
機械音と共に赤い点滅をしている小さな何か。

彼女は“ソレ”に気付くことなく、鼻歌交じりに煌びやかな廊下を歩いていった。