遠回りしても…４【ダイヤのＡ】

34話 ページ35

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あれから何度も
一也からの連絡があるが
一切応答していない。
携帯を見るのすら嫌になってきた。




毎日ダラダラと部屋からほぼ出ない私に、
両親は心配している様にも感じる。



食欲もあまり無くて、
夜になると、クリスマスの出来事を思い出すので
父親が飲むのであろうビールを
冷蔵庫から持ち出し
部屋で飲んで誤魔化す。
それが、ここ2.3日の私の生活だ。





おかげで体重が少し減った感じがする。






深いため息をついて
ベッドへと転がると
また携帯が震えた。





また一也だろうと思いながらも
一応画面を確認すると
大学の友達からの着信だった。





『…もしもーし？』




「あっ！A？！」





『うん？…どーしたの？』







聞けば、今年最後の合コンを
セッティングしたのだが
冬休みに入って
地方組が実家に帰省してしまい、
メンバーが集まらないらしく
私に白羽の矢が立ったらしい。






「あっ！今彼氏さんと旅行中？？」






何も知らない彼女は悪くない。
確かに、何事も無ければ
今日から旅行に行く予定だった。







『あぁ〜…別れたんだよね〜…』




「うっそぉ〜！！」





私のセリフに心底驚いているが
それと同時に嬉しそうにも聞こえた。




「じゃあ、失恋の傷を癒すには
新しい出会いしかないじゃん！
私、ナイスタイミング！
参加するしょ？？」





勝手に盛り上がっているが、
もちろんそんな気分にはなれない。



でも、いつまでも
こんな風に落ち込んでいるわけにもいかない。
もしかしたら
いい気分転換になるかもしれない。




『あぁ〜…うん。行ってみようかな…』





「やった！じゃあ、今日の７時ね！」




『今日！？！？』




行くとは言ったが
あまりにも急で、
思わず聞き返してしまった。



待ち合わせ場所などを聞いて
電話を切ると
またすぐに携帯が震えた。




『…一也。』




画面には御幸一也と映し出されていて
少し悩んだが
そのまま携帯を置いて
シャワーへと向かった。









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