貴方は何者……？［2］〈Ren.N〉 (ページ10)

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佐「"絶対に仕事に私情は持ち込まない。"
そう心から誓っておられました。でも…

その誓いも、今年で辞めたようですね」

ズキン

「それはつまり…」

「芸能界の方で、お気になさる方ができたようです
…まぁ私の憶測ですが、私はA様にもう16年付き添っております。あのようなA様は、久々に見ました。

彼に会うときのA様は、とても楽しそうな顔をされていて……私に楽しそうに彼のことを話してくださるのです。
……丞様のときとは顔が全く違いました。
今の方が、その彼のことを楽しそうに話してくれて、私はとても嬉しい限りでございます。」

…誰？Aをそんな顔に出来るやつは誰なんや？

俺じゃないん？佐野さん。

佐「永瀬様

どんな事があっても、A様のことを思っているのなら、A様を手放してはなりません。」

…佐野さんはわかってるんやな。

そんな呑気なことを考えて聞いていた。

佐「…"お気をつけください。どんな時も、A様を信じてさしあげるのです。"」

…佐野さん、それはどういう意味なん？

きっと、佐野さんのことだから、あえて名前を言わなかったんだろう。

でも、最後の言葉。

"__お気をつけください___"

佐野さんは、何を知っている…？

佐野side

こんにちは。A様の執事の佐野でございます。

…もうおわかりでしょう。
星桜真司様の秘書は、'佐藤丞'と言うA様の初恋の方です。

私は訳あって、彼の本当の気持ちを知っています

ですが、私はA様の想い人を手助けするべき立場。丞様のことをA様がもう想っていないのなら、丞様には諦めてもらわなければなりません。

丞様は、自分ではもう諦めると言っておられますが、まだ心の中で想っているのでしょう

…これも私の"勘"ですが

私が今幸せになっていただきたいのはA様。そして、その想い人の永瀬様を応援することが、私の使命である限り、邪魔はさせない。

…だから

「失礼致します。」

？「入れ」

私が向かうべき場所は一つ。

____真司様のお部屋

佐「…今日は真司様にお願いがあってお伺い致しました。」

真「佐野が俺に？珍しいもんだな。なんだ？」

「…真司様の秘書の佐藤丞についてです。」

「…やっぱり、あの」

「A様は、新しい恋に進もうとしています。その道をサポートするのが、私の務め。

お願いします。A様に佐藤丞をもう近づけないでくださいませんか？」