【天月】天使の仮面を被った悪魔。

42話＊ ページ42

イントロと共に光る画面


アップテンポのこの曲は、ライブとかではすごく盛り上がるのであろう



天月はすでにスイッチが入ったようで

先程と同じ調子で歌い始めている



まぁさっきの泣きそうな表情を見てしまえば

すべて偽りの笑顔などにしか見えないのだが。




天月がなぜあんな表情をするのか


なぜ学校で自分を偽るのか




言い出したら止まらないけどだからといって本人に聞くのも失礼だ


だとしたら本人から話してくれるのが妥当だろうが

こんな私に話してくれるとは到底思えない




気にしないのが一番だと言い聞かせる


だってそうしなきゃ、

いつまでたっても悩むだけだ


もしまた違和感を感じても無視


いつも通りの私でいればいい



いつも通り


天月に絡まれて


天月を鬱陶しく感じて


天月を好きな女子から睨まれて




……あれ？




私の日常ってこんなだったっけ？

いつも通りってこんなだったっけ？



こんなに、天月だらけだっけ？



…前は違ったのになぁ、



前はクラスで誰とも話さずに一人ぼっち


特にこれといった面白いこともなく過ごしてく毎日だったのに、



天月が来てから変わったなぁ…


でも、天月との関係も悪くないと思う自分がいる


一人ぼっちだったから誰かと話すの楽しかったんだろうな



流石に絡まれすぎるのは嫌だけど。




ただゲームに私が勝ったら天月は絡んでこない


女子から睨まれるのもなくなる


だから嬉しいはずなのに、



…どこか、寂しいな、



なんてね。

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