*Snow falls 【浦/島/坂/田/船】

16話# ページ16

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　｢…え？ 全然いいけど｣

　｢ほんま？！ やったぁぁぁぁぁ！！｣




(あれ、誘う子いるって言ってなかったっけ？)



私の疑問を放っておいて、ずんずんと歩いて行ってしまう坂田。え、あれ？ほんとにいいのか？



　｢ちょ、坂田待って！｣

　｢いやぁ…楽しみやわ｣



呑気な坂田を目の前に戸惑いながらも、少し駆け足で追いかける。坂田は男の子らしくないスキップをしながら行ってしまうものだから追い付くのが大変だ。



　｢坂田、クリスマスなにするん？｣

　｢…なにしよ｣

　｢ノープランかい！！｣


少し付き合ってと言った癖にノープランだと言い切る坂田に坂田らしさを感じる。ここで買い物、とかディナーとか言われても困るだけだし、逆に安心した。



　｢どうする？｣

　｢なんか行きたいとことかあらへん？｣



生憎、そんなに女子らしいことはしないのだ。女の子ってきゃぴきゃぴしながら、服とかアクセサリーとかを眺めて歩くだけ。話を聞くのも大変なのに、話が合わなかったら仲間外れみたいになってしまう。それが苦手だ。でも付き合い上手になるために最近は頑張っているが。



　｢…あ、駅前のイルミネーションは？｣

　｢イルミ、ネーション？？｣



女の子が教室で話していた、デートスポット。別に付き合ってないからデートとは言わないが、やっぱり女の子。綺麗なイルミネーションは好きだ。しかし坂田は少し固まって考えている。そんなマズイこと言ったかな。



　｢それ、めっちゃええやん！！｣



食いぎみの坂田に若干引きながらも、さくさくと予定を立てていく坂田に珍しく感心する。


　｢…めっちゃ乗り気だな｣

　｢もっちろん！！｣



キラキラと目を輝かせていう坂田の笑顔に、自然と本能は負けを感じてまう。やっぱり、勝てないな、なんて。

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