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「え、笑顔が怖いんやけど…？」
そう言うと財前くんはスッといつもの表情に戻った。
「これでええですか。
…てか、呼び方。」
「……財前？」
「はい」
以前の事を思い出して名前を呼べば、先程のようなわざとらしい笑みではなく、優しい笑顔を向けられた。
びっくりしてつい凝視してしまう。
「…そういえば、なんで先輩はこんな時間にこんなとこにいたんすか？」
「あ、え〜と…寝てて…」
「え！？ゆさまさかずっと寝てたん！？」
そう、実は6限目の途中からの記憶が無い。気付いた時には教室には誰もいなかった。
「うん…さっき起きて、眠気覚ましに小春ちゃんと一氏見に来てん。…部活終わってたけど」
「もっとちゃんと起こしたったらよかったな…」
どうやら起こそうとしてくれたみたいだ。とてもありがたいが、爆睡していたようで記憶に無い。
「謙也はなんで財前探してたん？」
「あ〜、カラオケにでも誘おうと…」
「そうなん？じゃあ、」
じゃあ邪魔やろし帰ろかな、と続け歩き出そうとしたが鞄がなにかに引っかかったかの様に動かず、前に進めなかった。何かと思い振り返ると財前が私の鞄を掴んでいた。
「ファミレスなら行ったってもええですわ」
「ほんまか！？よっしゃ行こや！」
「よかったな！…で、ええと…財前？」
帰れないんてすが…と視線を送ると、財前は当たり前やろ、とでも言いたげな顔をして口を開いた。
「先輩も行くでしょ」
「え？…行ってもいいん？」
「そら、」
「ほなみんなで行こか」
財前の言葉を遮るように聞こえた声に振り返ると、白石くんがいた。
「ゆさちゃんも光くんもくるん？豪華やな♡」
「小春がおるだけで豪華やけどな」
「賑やかになるな」
「ええ事や」
次いで小春ちゃん、一氏、小石川、銀さんが現れた。
そのまま校門へと歩き出す6人を見て、ふと呟いた。
「…私テニス部やないのにいいんかな」
メンバー的にもなんだか場違いな気がして気が引けてしまう。部外者なのに。
私の鞄から手を離し、財前が口を開いた。
「むしろ先輩こないと俺行かないすけど」
「え？」
「財前もそう言うてるし」
「ていうか今更ちゃう？」
どうやら呟きは全員に聞こえていたようで、皆こちらを向いていた。
「ほら」
財前が私の手を取り、歩き出した。
私は呑気に、皆でご飯なんて楽しみだなあ、と財前に手を引かれるままついていった。
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財前言葉遮られすぎて可哀想
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におー - 更新楽しみに待ってます！ (2020年8月6日 7時) (
レス) id: 804a9814c8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめこ(プロフ) - ここの財前くんすごい可愛くて好きです…。いつも楽しく読ませてもらってます。 (2019年10月21日 1時) (レス) id: a01c44eded (このIDを非表示/違反報告)
ふじりんご(プロフ) - あっっ こういう系好き… (2019年9月12日 20時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 私は関西人です嬉しいです (2019年9月4日 13時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - テニラビやってますやられてますか？私はみかんですねんという名前でやってますよかったら申請お願いします！あと更新頑張ってください私も光くん好きです (2019年9月4日 11時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さゆ | 作成日時：2019年3月19日 8時
