守り神は隙が無いようでｰ参ｰ【鬼滅の刃】

百拾弐.「冷酷」 ページ28

魘夢side





負けたのか？死ぬのか？俺が？

馬鹿な…馬鹿な！！





俺は、全力を出せていない！！


アイツだ、アイツのせいだ！！


200人も人質を取っていたようなものなのに、それでも押された。抑えられた！！


これが柱の力……！！





アイツ…あいつも速かった！
術をとき切れてなかったくせに！




しかもあの娘！鬼じゃないか。なんなんだ？！
鬼狩りに与するような鬼なんて、どうして無惨様に殺されないんだ。




それとあの、狐面をつけた青髪の娘…！！！
あの癪に障る微笑みと、異様な技！！
あの娘と、術を破ったガキがいなければ…猪だけなら殺せた！！





負けるのか、死ぬのかァ…！！



鬼狩りに殺され続けるのは、いつも底辺の鬼達だ。

上弦…ここ100年、顔ぶれの変わらない鬼たち。

山ほど葬っている

鬼狩りの柱さえも葬っている。






異次元の強さなのか。



あれだけ血を分け与えられても、上弦に及ばなかった…






その時、目の前に、狐面の…青い髪の女が見下ろすようにして立った。









『……ごめんね、ごめんね…』






…泣い、てるのか？








顔は影でよく見えない。








『ごめんね…っ。









やっぱり私、炭治郎みたいに優しくなれないや。』









人生最後に聞いた女の声は





あの無惨様に匹敵するほどの、冷酷な声だった。

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