検索窓
今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:172,464 hit

捌拾肆. ページ39

***








私は少し驚いたが、平常心を装う。









『…え?無いよ!なんで?』






いつものように、笑いながら尋ねた。



炭治郎は少しだけ困ったような顔をしてから、口を開く。









炭「いや、Aがいた方から…すごく悲しい匂いがして、気になったんだ」





『……。』









……やっぱり、考え事なんてしない方がいい。



周りの気配に疎くなる。



炭治郎の気配に気がつくのが遅くなり、油断してる時に匂いが漏れていたのか。



やっぱり、「隙」しかない。前はもっと隙なんて見せなかったのに。









炭「…A?」






『えっ、あ、ううん。なんでもない。』






炭「なんでもないって……ほんとうか?
なにかあったなら、俺が力に…」






『…ねえ、炭治郎。君って本当にすごいね。』









私は炭治郎の会話を遮るように、少しいつもより大きな声でそう言った。









炭「き、急にどうしたんだ?」





『…ふふ、いや。少し憧れただけだよ。
じゃあ私は戻るね。』









私は炭治郎の顔を見ないように、室内に戻った。









***








A…なにか、あったのか?




笑顔の後ろは、泣いている気がした。








炭「……」









俺は無言で、Aが歩いていった方を見つめた。








基本的、Aはいつもニコニコしていて優しいし、善逸や伊之助、禰豆子の面倒もよく見てくれている。




「長女」っぽいところがあるような…そんな気もしていた。









でも、そんな普段はなんの問題もないAだけど…ひとつだけ、ずっと気になってることがあった。




それは、他人よりも匂いが極端に薄いこと。




全くしない、というわけじゃないんだけどなぁ…。









そして、Aは1度だけ…人間だった時の禰豆子と重なって見えた時があった。




あの、優しく微笑んだ時。









外見は、全く違う。



禰豆子は勿論、俺の中でとびきり可愛い。



だけど、少し言い難いが…Aにはどこか、段違いの美しさがある。









そして……彼女は何かを隠している気がする。








重大な何かを。









神楽月A……謎が多すぎる。









炭「君は一体……誰、なんだ?」

捌拾伍.「機能回復訓練」→←捌拾参.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (126 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
306人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ひかり(プロフ) - craneberry1223さん» すいません!直しておきました! (2019年10月19日 11時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
craneberry1223(プロフ) - 伊之助と村田のセリフ直してください。全部、伊之助になってます (2019年10月19日 10時) (レス) id: 1013b94a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年9月29日 1時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年9月29日 1時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 吹雪咲彩さん» ふぶちゃーん!!ほんと?!ありがとう(*^^*) (2019年9月28日 12時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひかり | 作成日時:2019年9月23日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。