捌拾肆. ページ39
***
私は少し驚いたが、平常心を装う。
『…え?無いよ!なんで?』
いつものように、笑いながら尋ねた。
炭治郎は少しだけ困ったような顔をしてから、口を開く。
炭「いや、Aがいた方から…すごく悲しい匂いがして、気になったんだ」
『……。』
……やっぱり、考え事なんてしない方がいい。
周りの気配に疎くなる。
炭治郎の気配に気がつくのが遅くなり、油断してる時に匂いが漏れていたのか。
やっぱり、「隙」しかない。前はもっと隙なんて見せなかったのに。
炭「…A?」
『えっ、あ、ううん。なんでもない。』
炭「なんでもないって……ほんとうか?
なにかあったなら、俺が力に…」
『…ねえ、炭治郎。君って本当にすごいね。』
私は炭治郎の会話を遮るように、少しいつもより大きな声でそう言った。
炭「き、急にどうしたんだ?」
『…ふふ、いや。少し憧れただけだよ。
じゃあ私は戻るね。』
私は炭治郎の顔を見ないように、室内に戻った。
***
A…なにか、あったのか?
笑顔の後ろは、泣いている気がした。
炭「……」
俺は無言で、Aが歩いていった方を見つめた。
基本的、Aはいつもニコニコしていて優しいし、善逸や伊之助、禰豆子の面倒もよく見てくれている。
「長女」っぽいところがあるような…そんな気もしていた。
でも、そんな普段はなんの問題もないAだけど…ひとつだけ、ずっと気になってることがあった。
それは、他人よりも匂いが極端に薄いこと。
全くしない、というわけじゃないんだけどなぁ…。
そして、Aは1度だけ…人間だった時の禰豆子と重なって見えた時があった。
あの、優しく微笑んだ時。
外見は、全く違う。
禰豆子は勿論、俺の中でとびきり可愛い。
だけど、少し言い難いが…Aにはどこか、段違いの美しさがある。
そして……彼女は何かを隠している気がする。
重大な何かを。
神楽月A……謎が多すぎる。
炭「君は一体……誰、なんだ?」
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ひかり(プロフ) - craneberry1223さん» すいません!直しておきました! (2019年10月19日 11時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
craneberry1223(プロフ) - 伊之助と村田のセリフ直してください。全部、伊之助になってます (2019年10月19日 10時) (レス) id: 1013b94a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年9月29日 1時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年9月29日 1時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 吹雪咲彩さん» ふぶちゃーん!!ほんと?!ありがとう(*^^*) (2019年9月28日 12時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかり | 作成日時:2019年9月23日 15時