守り神は隙が無いようでｰ弐ｰ【鬼滅の刃】

漆拾肆.「拘束」 ページ28

炭「…！」






冨「動けなくても、根性で動け。
妹を連れて逃げろ。



……鈴、お前もだ。」








…多分、鈴は私のことだ。



耳に鈴がついてるから。








……足は…大丈夫、解毒剤がまた効いてきたのか、痺れも薄れてきた。








(かなり)まだ体は重いけど…走れないほどだはない。









炭「冨岡さん…すいません！ありがとうございます！」




『冨岡…さん。またお礼しますので…！』








私は言葉が見つからず、そう言って炭治郎の後を追った。









『炭治郎、箱は私が持つ！はしって！』




炭「悪い、A！」









私達は、禰豆子ちゃんを連れて走り出した。









炭(体中痛い。痛いと叫びたいぃぃぃい！
我慢だ！！我慢我慢我慢…！！)









……今、なにか音が。




……誰か追ってきているな。









***






胡「本気なんですね、冨岡さん。
まさか柱が鬼を庇うなんて。」






冨「…。」







胡「…貴方がその気だろうと、私はここで時間稼ぎに付き合う気はありませんので。


では、ごきげんよう」







胡蝶はそういうと、飛ぶようにしてあいつらの後をおいはじめた。



それを俺も、走って追う。









胡「それで私に追いつく気ですか？


…あぁ、教えておいてあげます。




あの可愛らしいお嬢さん…鈴のお嬢さん。




あのまま体を動かすと、まず命の保証は出来ませんね。
今は体を夢中で動かしてるだけでしょうけど…」









冨「…何故それを俺に言う」









胡「知り合いかと思いましたので」









胡蝶は木の上を軽々と飛びながら、移動を続けてそう言った。





………あの鈴の女が、死ぬ？









胡「あ、私を止めようとすることも結構ですけど……もうひとりいることもお忘れなく〜！」









***









炭(足を止めるな…！体を動かせ！
少しでも遠くに逃げるんだ！！)








『……！！炭治郎！避けて！』









上からの気配。









私は刀でその攻撃を防ぐ。








目の前には、私より少し背の低いくらいの女の子が。









炭「なんだ…？！」









炭治郎は、私とぶつかった衝撃で禰豆子ちゃんを放り投げてしまった。






…しまった。









「…！」





『…禰豆子ちゃんは殺させない』









私は禰豆子ちゃんに振り下ろされた刀を、またと目に入った。

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