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漆拾弐. ページ26

鬼に同情なんてしない。



鬼は、憎むべき存在。






……だったはずなのに、炭治郎と出会ってから思考が少しずつ変わっていった。









***






俺の頭を撫でる手と、俺の背中に当てられる手。






暖かい。






どちらも、陽の光のような優しい手。








……そして、俺の頭を優しく撫でる女の手は……


僕の母親と、同じ暖かさだった。









思い出した。ハッキリと…僕は謝りたかった。



ごめんない。全部、全部僕が悪かったんだ。



どうか、許して欲しい。









…でも、山程人を殺した僕は、地獄に行くよね。



父さんと、母さんと…同じところには行けないよね。









「そんなことはない。一緒に行くよ、地獄でも。


…累」





累「父さん…母さん……」







母さんと父さんは、微笑んで頷く







「累…どこまでも一緒よ」









累「うわぁぁあぁ…っ……!



全部、僕が悪かったよ……ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい



ごめんなさい……!」









***








鬼の体は、灰となって空へ消えた。





私はまだ手に残る、鬼の感触と…彼の悲しい空気に浸っていた。









その時、鬼の来ていた衣類の上に…足が置かれた。









冨「人を食った鬼に、情けをかけるな。
子供の姿をしていても関係無い。

何十年と生きている、醜い化け物だ」








『……。』








炭「殺された人達の無念を晴らすため…これ以上被害を出さないため。


俺はこれからも、容赦無く鬼の首に刃を振るいます。





だけど…鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を、踏みつけにはしない…!!






鬼は人間だったんだから…俺と同じ、人間だったんだから…!!


足を退けてください!!」









……炭治郎





私は手をぎゅっと握り締めた。









炭「鬼は醜い化け物なんかじゃない…!
鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ…!」







冨「……。お前は…」









その時、私の五感全てが痺れるような反応に襲われた。









『…?!』







身構えようにも、足元が覚束ず…直ぐに臨戦態勢には入れなかった。









炭「…!!」









キィンッ…と、刀のぶつかりあう音が聞こえる。









胡「あら?どうして邪魔をするんです?
冨岡さん」

漆拾参.→←漆拾壱.「親の愛」



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ひかり(プロフ) - craneberry1223さん» すいません!直しておきました! (2019年10月19日 11時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
craneberry1223(プロフ) - 伊之助と村田のセリフ直してください。全部、伊之助になってます (2019年10月19日 10時) (レス) id: 1013b94a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年9月29日 1時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年9月29日 1時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 吹雪咲彩さん» ふぶちゃーん!!ほんと?!ありがとう(*^^*) (2019年9月28日 12時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひかり | 作成日時:2019年9月23日 15時

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