人形少女の瞳に映るものはPart4【イナイレ】〜エイリア編〜

違和感ｰ157ｰ ページ17

先取点を決められた。



その事実に、みんなは呆然とした。



…まさか、治兄があんなシュートを持っているなんて。



鉄壁だったはずの、正義の鉄拳が打ち砕かれた。



ここで前半終了。




円(何故だ…じいちゃん、何故なんだ？
正義の鉄拳は、最強のキーパー技じゃ無かったのか？

バッと開かず、ぐっと握って…ダン、ギューン、ドカン…

出し方はあれでいいはずなんだ。なのに、何故…

あれでは、まだ完成じゃないのか…？
なにが足りないんだ…？)



『円堂君…』



綱「正義の鉄拳が通用しねぇなら、俺達が頑張ればいいだけだ！だろ？！」



壁「そ、そうっす！俺、頑張るっす！」





そうだ。私達が頑張って、そもそもシュートを打たせなかったらいい話だ。


前向きに捉える一方で、私は…心のどこかで、


私たちのプレイが通用するのか…？


という、不安を抱えていた。




________________________
鬼道有人side



なにか、引っかかる。


Aのあの動き…


それに、あのシュート技。


あまりにも、唐突に強くなりすぎている。


シュート技もまだ未完成とはいえ、あれが完成していたのなら…かなりの威力だっただろう。


それに、元はAのポジションはDF。


なのに、幅広いポジションに対応出来る柔軟さを持っている。



なんだ…この違和感は




例えようのない違和感が、俺を襲った。



一「でも、点を取らないと勝てない…」



…吹雪がいれば、得点のチャンスもあったかもしれない…が、それは吹雪を追い詰めることになる…のか？





鬼「チャンスがあれば、徹底的にシュートを狙っていこう。

今キーパーをしているゼルが、デザームよりも実力が劣るとしたら…必ずゴールチャンスはあるはずだ。

点を取って、そして勝とう！！」




俺の言葉にみんなは頷いた。




ただ、Aだけは…曖昧に頷いた。




だが表情からは何も読み取れない。




そして引っかかるのは…不自然に腕に傷があるところ。




これは、今の試合で着いたものでは無い。




それに、昨日も無かった…




皆はさほど重点的にそれを見ていないらしいが、俺は何故か気になった。




腕に多少の傷ができることはあるが、あまりにも痣などが多い気がする。




…何故だ？



昨日まではなかったはずの、腕の傷…急激に上がった、Aの実力…。




『鬼道さん？試合が始まりますよ』



鬼「…ああ」



お前は、何を隠している？


直感的にそう思った。

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