喧嘩 ページ9
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翔陽と影山くんが喧嘩した。
喧嘩するほど仲が良い、って言うけれど、方向性の違いでここまで喧嘩するのは今回が初めてだった。
『日向くん、これどーぞ』
「あ、樋山さん……ありがと」
お昼休み、一人で練習していた翔陽の元へぐんぐんヨーグルトを渡す。
『影山くんと、どう？』
「口聞いてねえ」
2人は強情らしい。
仁花ちゃん曰く、翔陽も影山くんもどこかで特訓のようなものをしているみたいだ。
『力になれることならなんでもするから。私、データの統計とか好きなんだよね。ほら、これ見て』
パソコンでデータを集め、それを印刷した紙を渡す。
渡したのはスパイクの決定率等だ。
「––––––––––すげえ！」
『趣味みたいなもん』
キラキラした目でそれを見つめる。
大人翔陽もこういう目してたな、と懐かしむ。
『これ、あげるね』
じゃあ、と翔陽から離れて別の場所に行く。
別の場所、とは。
『–––––––––影山くん』
ぐんぐんヨーグルトを買い教室に戻る。
まだお昼ご飯を食べている彼の元へ行く。
「なんすか」
『はいこれ、あげる。日向くんとはどう？』
「あざっす………トスの練習してんだ、今。落ちるトス」
『最高打点で、止めるってこと？』
「…おう」
成る程。
だからボールを見て翔陽は打てるようになるということか。
そんなこと、常人にはできない。
改めて影山くんがすごいと思った。
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作者名：池田
| 作成日時：2020年7月3日 12時
