何も無く ページ18
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その日から本当にいつも通りの日々だった。
ボールがぶつかることもあったけど、何も無くただ単に痛いだけで。
翔陽にも話すに話せなかった。
『…………どうしようかなあ』
この、ぐんぐんヨーグルト。
あの時から捨てられずにいる。
「A、最近調子変だぞ？なんかあったか？」
『え？いや、チームのバランスとか色々考えててさあ、』
と、翔陽とパソコンを見る。
『––––––って、もうこんな時間。ブルーライトは睡眠の敵だから翔陽見ちゃダメ！』
「ほんとだ！早いな！Aはまだ仕事する？」
『うん、もうちょい』
「ならホットミルク作るな」
『よっしゃ！翔陽のホットミルク好き〜〜！』
「え〜俺のことは？」
『だ、大好き……』
ラブラブな自覚はある。
いい歳なのに。
「10年前の謎のぐんぐんヨーグルトはどうなったんだ？」
ホットミルクを見て思い出したらしく、温めながら尋ねてきた。
『何か思い出の品って感じで捨てられないんだよね』
「うーん、…………ほんと謎だな」
『翔陽考えてないでしょ』
ばれた？と舌を出す。
かわい。かわいすぎん？かわいくて蒸発しそうだわ。
『翔陽、肌の色黒いなあ』
高校時代はあんな白かったのに。
今までそんなに思わなかったけれど、比べるとやはり差が出る。
「うーん、そうか？日焼け止め塗ってたんだけど汗で取れるからなあ…残った日焼け止めあるけど使う？」
『まだ残ってんの？肌荒れそうだからやめとく』
「だよな、何か使えねえんだよなあ」
日常が、戻ってきた。
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作者名：池田
| 作成日時：2020年7月3日 12時
