男性恐怖症の私が初めて恋をした7【まふまふ】

219話 ページ19

「じゃあ､行ってくるね」



『うん。私もあとで行くから


ライブ､頑張ってね』



ﾁｭ



「よし、充電完了!


行ってきます!!」



ﾊﾞﾀﾝ



お見送りも終わったことだし

私も朝ごはんを食べよう



真冬が朝作ってくれたスクランブルエッグ


ラップしておいてあるやつを少し口に入れてみる



『ｳｯ』


一口でも口に入れるとすぐムカムカして最終的にもどしてしまう



これが始まったのは2週間前ぐらいから



何を食べても胃が受け付けてくれない



『はぁ…』



まだ朝で96ちゃんが迎えに来るのは4時



それまで何をしていようか



お昼は食べても結局吐いてしまうから食べなくていいや



あと何時間後にはLIVEだし真冬の曲でも聴こうか



ソファーはもうこの身体では横になれない



だからベッドに入る



目覚ましをセットして動画を開く



最近はいつも真冬が生で歌うのを聴いていた



だから動画は新鮮



この絵かわいい､曲とあってる…



ずっと見ていたらいつの間にか夢の中で



アラームの音で目が覚めた



あと30分後には96ちゃんが迎えに来る



念の為にトイレへいって荷物を玄関において待っていようとベッドから起き上がる



数秒､視界が暗くなる


ふらっと目眩がしたと思えば急にきた吐き気



気持ち悪くてその場でしゃがんだ



四足歩行で玄関の方へ


まだまだ先は遠いがとりあえず玄関までの廊下にでた



そんな時､突如お腹あたりを走った痛み



久しぶりのこの感じ



何ヶ月も忘れていた生理の痛みによく似ている



出産予定にはまだあと1ヶ月もある



これは陣痛？



それとも…


とりあえず2人は守らないと



スマホで時間を見ると96ちゃんが来るまであと20分


玄関の鍵を開けられればひとまず安心



痛みが治まっては進み痛みが強まっては止まりを繰り返すこと何十回



ｶﾞﾁｬﾝ


力を振り絞って手を伸ばしてやっと開けられた


鍵を手から離すと今日1番痛い痛みが走る



ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


ちょうど良いタイミングでチャイムが鳴る


扉の前にいるであろう96ちゃんから電話が来たから開いてるよとだけ伝えた



そして目の前の扉が開く


「A!!」


その後はタクシーの運転手さんが来て私をタクシーまで運んでくれてその間に96ちゃんは私の家から私の荷物を準備してくれていた


どんどん痛みが増していく


病院につくと担架にのせられ運ばれる


その時ブチッという音がした

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