く り か え し 【 Reo.S 】

"あの日"(過去編) ページ18

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"あの日"


私たちが終わるきっかけになった日



大学を卒業して1年

お互い仕事にも慣れてきた頃


家を行き来する時間も惜しく、
私たちはいつからか同棲するようになった
なのに、忙しくて家の中でさえ2人で過ごす時間なんて
なかなか取れずすれ違う日が多くなっていった


でもなんとか時間を見つけて
少しの時間だけでも一緒に過ごした
今は大変だけどいずれは…そう信じて



だけど……距離は何故か開いていくばかりだった


あの日の玲於は朝からすごく
イライラしていたような気がする



『おはよう、玲於！！』

「………はよ」



素っ気ない態度はいつも通り
だけど明らかに違うのは
私の事を一切見ようとしないところ
いつもは歩くスピードを合わせてくれるのに


『急いでるのかも』


その時はただ単純にそう思っただけだった


"今日私早く終われそうだよ！
玲於も今日早いんだよね？
久しぶりにどこか食べに行かない？"


ほんとは仕事めちゃくちゃ残ってるけど……
このまますれ違ってばかりは嫌だから


でもそのメールに返事はなく
結局私は仕事を終わらせて終電ギリギリで帰った





なにか怒っているのかな？
携帯見れないくらい仕事忙しい？
でもしつこく連絡できないし
玲於が嫌がることはしたくない

ぐるぐるぐるぐる考えながら
深夜1時を指そうとしている時計を眺める



ガチャ



『……玲於？』


玄関が開く音がしたと思えば
カバンを乱雑に置く音が続く

それから玲於は何も言わずに真っ先にお風呂に入る


何にそんなイライラしてるの？
私ここに居るの。起きてるよ。気づいてる？



『ねぇ、玲於』


お風呂から上がった玲於に声をかけても
私を一瞥するものの何か答えるわけでもなく
無視して寝室に入る


『玲於！！どうして無視するの！！』


さすがに頭にきた私は玲於から毛布をはぎ取った






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