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呼び出し ページ12

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"至急会議室"


休憩から戻るとデスクには見慣れた字で
雑に書かれた付箋が貼られていた


昨日帰ってから茉莉の言葉が頭の中を支配して
全然眠りにつけなかった


その結果仕事に集中できなくて呼び出される始末


コンコンコン


『失礼致します』



憂鬱な気持ちを抑えて中へ入る



『佐野専務…どうされましたか?』


呼び出したのが佐野くんって事はお説教じゃないな

佐野くんは実質社長に今1番近い人
そんな人がただの社員1人に
目くじらたてている時間はない



『専務?』

「鍵閉めて」

『は、はい』


会議室の内鍵を閉めて佐野くんの方へと歩く


『佐野専務お時間大丈夫ですか?』

「ねぇ、その呼び方わざとなわけ?」

『きゃっ!!』

「休憩時間中くらい仕事のこと忘れさせてよ」


佐野くんの手に引っ張られ
あっという間に逞しい腕の中に閉じ込められる

私は慎重にその背中へと手を回す


『忙しい?』

「ん」

『仕事中に呼び出すなんて珍しいね』

「しばらく会えないからA充電」

『そっか』

「Aといると落ち着く」



佐野くんはずるいね

私から呼び出すことは叶わないのに
佐野くんはいつでも好きな時に私を呼び出す

それから私の欲しい言葉をいとも簡単に口にする

どんどん深みにハマっていく
沼のように

ゆっくりじわじわと
もう私は決して戻れないほどに汚れてしまっていた


茉莉…気持ちは嬉しいけど
やっぱり私には佐野くんだけだよ


この時間が永遠に続けばいいのに

毎回毎回会う度に思う
全てが止まってしまえばいい
そうしたら佐野くんはー…



「さっきも言ったけど、しばらく会えないから」

『うん、忙しいんだよね?』

「いや……」




「家族サービス…しなきゃだから」

「美月拗ねててさ」





わかってたはずなのに目の前が真っ暗になった







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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , 中務裕太   
作品ジャンル:恋愛
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きのこ(プロフ) - 面白くてもう4回ほど読み返してます!つづきが気になって仕方ありません!早く最終話見たいです! (2019年8月10日 22時) (レス) id: dee6d0cf2f (このIDを非表示/違反報告)
華娘@だ〜す〜.片寄LOVE - 次のお話に期待(=∀=) (2018年12月27日 19時) (レス) id: 3347e30700 (このIDを非表示/違反報告)
恋色(プロフ) - れやさん» ついにー!最終話目前!ですね!!昨日よりお知らせの1番最後に進捗状況を載せております。矢印の先が49話になれば一気に更新されます!いわばカウントダウンのようなものです!!わくわく! (2018年12月24日 3時) (レス) id: 46a95c52fb (このIDを非表示/違反報告)
れや(プロフ) - ついにですか!!! (2018年12月24日 2時) (レス) id: e2c96a96ac (このIDを非表示/違反報告)
恋色(プロフ) - グリムパンさん» わーい!!グリムパンさん!!コメントありがとうございます( ´:ω:` )読み続けて頂けているようで、嬉しいです!更新あともう少し、お待ち下さい(^^)! (2018年12月12日 11時) (レス) id: 46a95c52fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:恋色 | 作成日時:2018年10月28日 2時

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