告白。 ページ48
｢好きな人いるよ。｣
｢えっ。｣
なんの躊躇もなくそう言い放った彼。
やっぱり、私の気持ちに気がついていてわざとそんなことを言っているのかもしれない。
ここに来て、私のことが好きだなんてどんでん返しな展開はほぼ皆無なのだから、物間くんに弄ばれていると邪推してしまうのも無理は無いと思う。
｢ああ、ちなみにだけど僕の好きな人はね、ーー｣
｢私が先に言う。……物間くんが教えてくれるのは、それ聞いてからにしてほしいな。｣
せっかく好きな人の好きな人を知れるチャンスなのに。
だけど、このまま聞いてしまったら泣いてしまうかもしれない。
自分の気持ちも伝えられずに涙をのむなんて絶対に嫌に決まっている。
気持ちの整理をするため、深く呼吸をする。
心臓が痛いほどに脈を打っていて、電話で告白してくれた切島くんもこんな気持ちだったのかな……ーーなんて考えてみる。
ーー好きな人に好きな人がいる。
それを知りながら告白をする気持ちなんて、分かりたくもなかった。
｢あのね、物間くん。わたし物間くんのことが好き。｣
｢顔がイケメンだから……とかじゃないよ。いや、もちろんそれはそうなんだけどね。｣
｢前に言ったように、傍から見ると短所に思える所だって私にしてみれば物間くんのいい所だし、寧ろそんな所も含めて物間くんが大好き。｣
小っ恥ずかしい気持ちはこの際無視してしまおう。
物間くんのその綺麗な瞳を、射抜くように真っ直ぐ見つめる。
言葉では表しきれなかった想いを伝えるために、目を離すつもりなんてなかった。
｢……奇遇だね。僕も、Aさんの名前を言おうとしてた。｣
｢な……。｣
｢……ちゃんと言ってよ。私のことが何なの……？｣
目頭が熱くなって、視界もぼやけてきたけど気にしない。
……そんなの気にしている場合じゃない。
｢すっ……。｣
息を吸うような音を出してから、真っ赤な顔で｢あーあー、やめて！！言わなくても分かるでしょ？！！馬鹿なの？？｣と、本日2回目の照れ顔。
｢分かってるけどちゃんと聞きたい。｣
両思いだと分かったんだから、もう遠慮する必要などないだろう。
｢……僕だって、Aさんの性格がもし悪かったとしても好きになってた。……君は僕の、大好きな人だよ。｣
いつもみたいに高笑いする余裕さえ無くした彼。
そんな余裕のない一面を見せるのは、これからは私の前だけにして欲しい……ーーだとか、面倒な女になりそうな予感がする。
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癒坂しの(プロフ) - 無気力に自信が有る人さん» 面白かったと言って頂けて良かったです！私も推しくんをフるなんて心苦しかったですけどね…夢主ちゃんが推しくんに落ちちゃうといけないので;; (2022年2月7日 8時) (
レス) id: 75105f0f0c (このIDを非表示/違反報告)
癒坂しの(プロフ) - 影闇夜さん» 遅れてしまいすみません！コメントと応援ありがとうございます。これからも期待に添えられるようなものが書けたらいいなと思います。 (2022年2月7日 8時) (レス) id: 75105f0f0c (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 男子の最推しをふってしまった……。因みに物間くんは２位です！悲しいけど面白かったです！ (2022年2月6日 1時) (レス) @page21 id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
影闇夜 - 完結おめでとうございます！これからも応援してます！！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: b6449f78e2 (このIDを非表示/違反報告)
もぺ(プロフ) - 潤さん» わ、潤さんからの告白、しかと受け取りました〜〜！わああ全然生意気なんかじゃないですよ！寧ろありがとうございます;;次回更新するときに訂正させていただきますねー！励みになるコメントをどうもありがとうございます！ (2019年12月28日 12時) (レス) id: 5098ae2b37 (このIDを非表示/違反報告)
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