テニスの王子様【テニス部員と私】

【第四話】後片付け ページ5

「それに、鈍感……､」




『えっ？』




「ッ…



何でもないっス 俺ちょっと竜崎先生のとこ行ってくるんで」




『あっ、りょ、リョーマくん！！』







行っちゃった………





『…』






家族にも天然って言われたり友達にも言われたりするけど具体的にどこらへんがそうなのか考えてもよく分からない




取り敢えず…








『(菊丸先輩には後で謝っとかなきゃ！)』






もうそろそろ休憩終わっちゃうし マネージャーの仕事に戻ろっと

























「「「お疲れ様でしたー！！！」」」





テニス部一同が竜崎先生に挨拶をし、今日も午後の部活が終わった







「終わった終わったー！」


「帰りにさ！ファミレス行こーぜ！」


「おっ！いいないいな！」







皆それぞれ帰りの身支度をしに更衣室へと足を運んでいく




『(皆さん今日もお疲れ様です)』





私はテニス部員達の背中を見て微笑み、落ちてあちこちに散らばっているボールを1つずつカゴに入れて回収していく作業を行う



後片付けをするのはマネージャーの仕事







なんだけど…






「ボール、こっちのコートに転がってたのはもう全部拾い終わったから 後はコートブラシだけだよね？」



そう言って、ニコッと私に優しい笑顔を向ける方は





『ふ、不二先輩っ…！』




「Aちゃんの方も もう終わりそうだね」




『はっ、はい！あと向こうの分回収したら終わりです！』





「了解 じゃあこっち側、先にコートブラシ掛けちゃうね」





『すみませんありがとうございます;』





「いえいえ」






なんて、優しい笑顔…なんて素敵な人なの！




不二先輩もレギュラーの一人であって、部活で疲れてるはずなのに私が入部して1週間経ったくらいに「大丈夫？一人は大変だと思うから僕にも手伝わせてくれないかな」
と優しい笑顔でそう声を掛けて頂いてからというもの



それからずっと後片付け手伝って頂いてるのっ






もう涙が出ちゃう程の優しさよね


不二先輩が女の子達に凄くモテるのも分かるわ







「？Aちゃん 僕の顔に何かついてる…？」




『！え！？あっ、いいいい、いえっ…！！ついてないです！』




「ふふっ、そっか

早く片付けて暗くなる前に帰ろう」




『はっ、はい……！』








いや良い男だ きっと将来不二先輩のお嫁さんになる人は幸せだろうなぁ……




って、何言ってんの私…;

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