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#33 ページ35

小瀧望.







兄ちゃんが取り出したのは白い薬。

カプセルに入ってる






大毅「これ、眠るうちに楽になるから。
全然苦しむこともないし、静かに逝ける」








小さな1錠で息の根を止めることができる。


凄いと思うのと同時にまた体が緊張した







それをなんの変哲もなしに差し出してくる



大毅「お前の望みやろ…?はよ、」







ツンと手を胸に近づけてきた

それは急かすように






「あ、、うん、。」







死という恐怖を初めて感じた


それまで何も感じられなかったのに


自分でやっとわかった。








そもそも俺からの提案、


退院する時に渡した紙切れに






「兄ちゃんが退院できたら、俺の仕事場まで来て。

俺達の遺伝子は俺達で終わらそう。」






そう書いた。









それなのに「生きたい」と言うよりか

「死にたくない」と思ってしまう。

不意打ちに来て、当日に実行するからか?






心を整える








大毅「怖いか?」


やたら落ち着いてる顔








「……ちょっとは…。」









大毅「こんなんはスパッとやってしまおうや」





「兄ちゃんはこれでいいの?
出たばっかりやし、もっと他のこと…」






大毅「いいって。

こんな人間が更生しても生きていくとこないって。

俺…またしそうで、怖いんよ

やからもう大丈夫や。」









そうやな、こんな兄弟生きてても

なんにもならへん。









差し出された水のペットボトルと共に



以外とあっさり飲み込んだ。









大毅「これで俺らも楽に暮らせるな!笑」




そう言って茂みに仰向けに転がる









俺はなんだか、



眠たくなる感覚に陥った







瞼が重くなって、景色も歪んで、




もう死ぬのかな…









「のぞむ、」






兄ちゃんの声


なのに反応できひん









「お前、頑張れよ________。」









その言葉を耳で受け取り







意識を手放した。

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作者名:匿名希望 | 作成日時:2018年9月9日 13時

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