私は普通の青春ができないらしい (ページ31)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:132,463 hit

今回のは笑えませんページ31

｢はぁ…。｣

力なく膝から倒れ込むと、伏黒君に腰を支えられる。

さっきからアンタなんですか？

私の彼氏かなんかですかねすみません。

｢オマエ名前は。｣

は？

全身が爛れながらも、私たちの方に向かってくる。

あそこまでして、こいつを倒せなかったの？

｢…？伏黒……。｣

伏黒君が自分の名前を喋った瞬間、男は自身の頭を呪具で貫く。

どうしたどうした、とち狂ったか…？

｢禪院じゃねえのか、よかったな。｣

そうして彼は、パタリと倒れた。

｢なんだったの、あれ。｣

｢…さあな。｣

男を除くと、顔が変わってる。

ほんと、おかしくなったのか。

いや、私が？それとも男が？ああ、考えるのはよそう。

｢早く家入さんのところに行こう。｣

｢うん。｣

2人して刺された腹を抑えながら歩き出す。

これ、笑えない。いまは笑えない伏黒君とオソロいとか。

後ろから気配がした、振り向けば女…？

そいつが持っている刀は、真っ逆さまに伏黒君の胸を貫こうとしている。

身体が勝手に動いた、彼の方が生きていた方がいい。

それには意味があると、一瞬で理解した。

貫かれた私の胸を見て、伏黒君はただただ同様していた。