我が主はわがまま姫【巴日和】 (ページ11)

今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:24,976 hit

10話ページ11

sideA

蔵書を借りて1週間がたった。
半分くらいは読み終えたのではないだろうか。

巽「どうです？何か分かりましたか？」
「はっきり言うとまったくです」
巽「これはこれは……」
「どこがどうなってお付き合いに至るのかが不明ですね」
巽「恋愛漫画の根本が理解出来ていないということですな……」

とても難しいものだ。

「藍良くんにわるいですね……。せっかく用意して頂いたのに……」
巽「全部読めば理解できるかもしれません。1度制覇してみては？」
「そうします」

巽とは別れ、私ひとりでカフェに入りドリンクを注文する。
自分の部屋ではなくたまにはこういう場で読むのもいいでしょう。

「あっれー？？柊ちゃんじゃァん！！」
「……天城燐音さん」
燐音「奇遇っしょ、ひとりで読書とか洒落てんなぁ」
「天城さんもおひとりなんですね」
燐音「たまたま暇でぶらーっとしてたら柊ちゃん見つけたってわけ」
「おや、私がいたから来たんですか？」
燐音「そういうことな」
「残念ですが私は人様に貸せるほどの金銭は持ち合わせて居なくてですね……」
燐音「いや、たかんねぇよ？？」
「でも前に椎名さんが……」
燐音「あれはニキだけだっつの。女の子相手にたかるわけねぇっしょ？？」
「さぁ、それはわかりかねます」
燐音「ほんとお堅いなぁ柊ちゃんはー」

何の用だろうかこの人。