Real Hostage-3年A組- II (ページ4)

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「なんでジャージで判断したら危険なの…？」

トイレの前まで行くと、
二人のそんな会話が聞こえた。

香帆「ジャージを借りれば
誰だって水泳部になりすませるでしょ」

さくら「そっか…

水泳部員の犯行に見せかけて
偽装した可能性もあるもんね、」

香帆「同情してんの？」

さくら「…え、？」

そんな会話に、ただただため息が出る。

香帆にもプライドはある。
さくらは原因を知りたい。

どっちの意見も分かるけど、

さくら「知りたいの、澪奈のこと…

何があったのか、ちゃんと知りたい」

香帆「知ってどうなるの？」

そんな香帆の声と共に
トイレの扉が閉まる音がした。

…そりゃ、

知っても澪奈ちゃんは戻ってこない。
でも、真相を知れば分かることもある。

と、私は思うけど。

さくら「澪奈の想いを知って、
ようやく前に進める気がするの」

そう、さくらの言う通り。

香帆「…あんたの方が知ってるんじゃない？」

さくら「え…？」

香帆「全国大会見に行ったんでしょ？
水泳部以外にうちの生徒居なかったの？」

…生徒、

さくらの言葉に、
香帆がそうヒントをくれた気がした。

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さくら「あ…A」

うーんと、それだけ聞いて
廊下の椅子に戻りながら考えてると、

そこにさくらが戻ってきて
後ろから声をかけられた。

A「全国大会、誰が居たの？」

後ろから歩いてくるさくらを待って
小さく聞いてみる。

さくら「聞いてたんだ」

A「気になったから」

そのまま、椅子に座り直して話を聞くと

さくら「里見くん」

A「…」

さくら「あの日、
水泳部のジャージ着てあそこに居た」

…里見くん

さくら「あと、逢沢くん」

…逢沢くんは撮影、だと思うけど

さくら「逢沢くんにも確かめてみる」

A「うん」

そう言って、
さくらは席を立って

一度教室へ入って行った。

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