Real Hostage-3年A組- II (ページ22)

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case4-8 ページ22

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A(本当に大丈夫かな、)

さくら達と円陣を組み終え
少し不安は残るが、解散した後

トイレから戻ると
美術室に甲斐がいるのが見えた。

A「……」

どうしよう。

グッと、ポケットの中で手を握る

甲斐「…何だよ」

入り口へ立つと
甲斐が私に気づいて声をかけてくれた

…いい、よね

A「…」

甲斐「お前、」

ギュっと

ポケットの中で握っていた物を
甲斐に差し出した。

…そりゃ、驚くよね

甲斐「何で持ってんだよ、」

A「いいから、」

私の見せたスマホを見て驚く甲斐。

でも、それよりも
甲斐に見てほしいものがある。

甲斐「…お前、」

甲斐の、弟の凪人とのメッセージ会話。

隠し持ってたスマホで
凪人からメッセージが来たからやり取りしていた。

甲斐は大丈夫だよって。

A「…本当にやったの」

甲斐「……」

A「隼人」

スマホを片付けて

暗い顔のままな甲斐に
久々にその名前で呼ぶ。

普段、ねぇ、とか
そんな感じだったから。

甲斐「俺は、」

柊「何黄昏てんだよ」

甲斐が何か言おうとした時
準備室の扉が開いて

先生が顔を出した。

柊「早く帰りたいよな
幼い弟と妹が待ってるんだろ」

…先生、甲斐の家のこと知ってんの…？

柊「一応担任だからな
家族の事情くらい把握してるよ」

甲斐「てめぇ…」

柊「うッ…」

何で、そう思って甲斐が怒った直後

先生が苦しみ出した。

A「、…」

どうしよう、

そう思いながら
その場で立ち尽くしてる自分が情けない

柊「お互い背負ってるものは軽くないみたいだな」

そう言って、
先生は準備室へ戻って行こうとする

…大丈夫なのかな、あれ

柊「橘、ちょっと来い」

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