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ーエピソード14 待ってるからー



今日は何人、人を殺しかけてしまう日なのか…

倒れてしまった彼を心配して肩を揺らすが
後ろから声が掛かる



澤村「A、大丈夫そいつは大丈夫だから」

といって手を差し伸べ立たせてくれる
坊主の人を遠慮めに見ながらも立ち上がる


「おー、大地早速女子ゲットしたかー
って、えーー超可愛い子じゃん。」



とゆっくり上の階段からニコニコと手を振り
降りてくる銀髪の人



澤村「違うよ、ただ助けただけ
さっき人だかりの中心にいたヤツで
俺の近所に住んでる」



「あ、そうなの、そりゃ大変だったなーあれは
あ、俺、菅原孝支!」


よろしくーと手を出してくるので
遠慮がちに手を握ると


『AAです』


ニコニコと向けてくる笑顔は裏表がなく
心が暖かくなる


菅原「それで、そこに倒れてるのが
田中龍之介、ごめんねーバカでねー」



そういうと田中さんの頭を起きろと叩く




澤村「それでAはどの部活とか
見学いくとか決めた?」



突然澤村さんに聞かれるが、さっきの勧誘では
まともに入部先が見つかりそうもなく



『まだです…』


と俯きがちに頭を振ると



菅原「ならさ、来てみない?
男子バレー部のマネージャー」



差し出されたチラシを見て
一応失礼の内容に受け取る



澤村「明日から見学もあるし、興味あったら
見るだけでも来てみてよ。
あれ、でも確か、軽音部入るんだっけ?」



菅原「軽音?何でまた?」



菅原さんの問いにあーー…っと苦笑いをして説明する



『兄が去年烏野の軽音部入ってて今
バンドやってるんです。それで少しなら触られるから、スポーツより親しみやすいかなと思い…』




へぇーと驚く菅原さんの後ろからぴょこぴょこと
田中さんが頭を出しこちらを見てくる



澤村「田中ー…その女子を目の前にすると
人見知り発動するのもそろそろ慣れろ」



菅原「はい、田中前出るー」



菅原さんは田中さんの肩をガシリと掴むと
私の前へと押し出す



田中さんと目が合いニコっと笑いかけると





田中「よろしくっス…。」


怖そうな見た目なのに、意外と恥ずかしがり屋なのだと、思うと不思議と頬が緩み、手を握り返す




『よろしくお願いします、田中さん』




すると
れなが教室へ戻るよと迎えに来てくれた



『それじゃ、ありがとうございました!』



澤村「いつでも来てよ待ってるから」


待ってるからという言葉に、はい!と元気よく返し
教室へ戻る

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作者名:りりらら x他3人 | 作成日時:2020年6月11日 15時

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