さくらラテorさくらフラペチーノ ページ32
Aside
「“さくらラテか、さくらフラペチーノか”、ねぇ」
とあるコーヒー店の新作を宣伝してほしいって案件で、
俺は桜をイメージした淡いピンクと白色の衣装に身を包み、
ソロ撮影の順番を待っている。
改めて企画書に目を通すが、正直桜風味が苦手な俺は飲んでみようとは思わない。
…でもまふちゃんは、多分好きなんだろうな。
桜自体が好きそうだし。
出会った時もまふちゃんの周りには桜が舞ってて…。
「…もう5年か」
「なにがー？」
「…ビビった。日葵か」
「ビビった様には全っ然見えなかったけど。
＿＿で、そんな幸せそうな顔してどーしたの。
んまあ、十中八九あの子のことでしょ？」
隣のパイプ椅子に腰をかけ、さくらフラペチーノをずずっと音を立て飲むひなを横目に、スマホに明かりを灯した。
「まあな。…ラテとフラペチーノ、どっちが好きだと思う？」
「
「だよなぁ。俺もそう思う。……今日から絶交な」
「待て待て。憶測の嫉妬で30年の友情を壊すんか」
“じょーだん”と笑おうとした時、唯一ピン留めされたトークルームに最新のメッセージがあって口が止まった。
“夜は帰ってこれる？”
たったその一言だけだが、どことなく寂しさを感じさせる文で、今すぐに帰りたい衝動に駆られた。
この撮影の後は、………よし、帰れる。
「日葵、全力で巻くぞ」
「良いけど、Aのこの後の打ち合わせってドッキリじゃなかった？サボって大丈夫なやつじゃないでしょ」
「は？ …え、初耳」
「え？
＿＿＿あー、だから笹下、“明日はAの間抜けな顔が見られる”って不気味に笑ってたのか」
「…」
「朱雀さん！よろしくお願い致しまーす！！」
ひなの言う、不気味に笑った笹下が安易に想像ついて無性に腹が立った。
何が何でも絶対にその企画を台無しにして、絶対に家に帰ってやると俺はその場で静かに誓った。
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ちよひめ(プロフ) - 需要あります！次の作品も待ってます。本当におもしろかったです。 (2022年8月22日 10時) (
レス) @page50 id: 7bd8410718 (このIDを非表示/違反報告)
ルム - 最高です 神作品です何回も読んでしまいます！！！更新じゃんじゃんしてください！！！神作品でもう出会えて嬉しすぎます！更新待ってます！！！ (2022年5月30日 15時) (レス) @page35 id: cfcfb7c0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楽流 | 作成日時：2021年12月24日 9時
