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いつもよりゆっくりではあるが
麺を冷ましながらすすってるのを見て安心する
カズにとっての初そうめんの時は俺達のを見て
一生懸命すすろうとしてたけど上手く出来なくて
そのあとテレビでやってた麺のすすり方特訓を
これまた一生懸命観て練習してたな
「…食べ終わったの？」
俺の視線に気づいたようでこっちを向いて
器の中を見て不思議そうにする
「ショウちゃんがまだ食べ終わってないの、珍しいね」
「あ、ほんと。その調子でゆっくりよく噛んでお食べ」
「…サトシくん、日に日にオカンだよな」
けど冷めてしまうから
急ぎめで食べたら、「もー」って2人から呆れられた
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食い終わると
サトシくんがリビングのローテーブルに置いてある写真を持ってきて
「ほい」
と、隣同士に座っている俺とカズの間に置いて
サッサと器をキッチンに持って行った
それにしても……
「こうやって見ると、なぁ…」
その中の1枚を取って見ると
そこに写っているのは10代中頃の、自分自身
「……これ、ショウちゃん…？」
カズも1枚取って見て、目を丸くする
まぁ、…今とだいぶ違う……かな？
そこに写っているのは
今から考えると恥ずいぐらいの金髪で
左耳にはピアスの自分
おうおう、目つき悪いなー
「記念みたいな感じで撮ったんだよねぇ」
キッチンから戻ってきたサトシくんも
1枚手に取って、思い出し笑い
「ふはは。久しぶりに見たけど、スゲーな」
「そういうけどね。アナタも大概よ」
「だねー」
隣では別のを見て、まだ目を丸くしてるカズ
「カズ、ここ」
「……へ？」
「これ、サトシくん」
「……え？」
ちょうど手に持ってるのには
俺とサトシくんが写ってて
こっちも俺と同じぐらいの金髪
「……これ、撮ったの母さんだよね？」
「そうそう。息子の反抗期を面白がる変わった両親だよ」
ふはは。ってまた笑うけどね
反抗期って言ってもそんなでもなかったぞ
……自分的には
「……全然、違う…」
「だよな。自分でもビックリだわ」
まだ凝視してるカズ
その頭をぽんぽん、といつもみたいに撫でて
「んじゃ、ちょっとした昔話」
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作者名：櫻華
| 作成日時：2018年11月6日 5時
