101話 知るべきこと ページ6
土蜘蛛と大ガマは、私を支えてくれた。
記憶を無くして空っぽだった私を、満たしてくれた
…そんな二人に、私は何が出来るんだろう
もらってばかりで、なにもしてあげられない。
…私は、私を支えて守ってくれる二人の役に立ちたい
土蜘蛛「吾輩は、AがどんなAになっても、Aが好きだ」
貴「…うんっ……うん…!」
今の私を見てくれる、受け入れてくれることが、こんなにも嬉しいなんて…!
私たちは、空が暗くなるまでずっと寄り添っていた
ひとりになった私は、さっき会ったえんらえんらさんの元へ行こうと頑張ったが、やっぱり屋敷の構造がわからず、同じところを行き来していた
貴「…ここさっきも通ったよね」
完全に迷った
回りを見ても、場所を聞けるような妖怪ひとりいない…
貴「…屋敷は広いのに妖怪は居ないんだよね…」
??「いましたよ」
急に後ろから声がした。
落ち着いていて、どこか色っぽいその声は、聞き間違うはずがなかった
振り向くと、そこにはえんらえんらさんがいた
えんらえんら「先日までは、この屋敷におさまりきらないほどの妖怪たちが居たんです。…でも、あの宴会の日に…」
えんらえんらはさんは泣くのを堪えるように唇を噛んでいた。…今の話は、私が記憶をなくす前の話だろう。だから全然わからない
…だから
貴「…詳しく教えて頂けませんか?」
知らないと。土蜘蛛や大ガマばっかりに抱え込ませちゃいけないもん
えんらえんら「はい…では、私のお部屋で。積もる話しになりそうですので…」
そう言ってえんらえんらさんが開いた襖は、すぐそこにあった部屋の襖だった
…そこだったんだ。
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貴「羅刹に憎悪を吸われて…倒れた…!?」
えんらえんら「はい…。倒れた妖怪たちは元祖本家のお屋敷で管理しています。しかし宴会の場に居なかった町中の妖怪たちも羅刹に憎悪を吸われ、次々に倒れているんです」
えんらえんらさんは、目を伏せて語る。
まるで思い出したくないように見えた
えんらえんら「…おやかた様の記憶が無くなったのも、羅刹のせいなんです。羅刹の一部が、おやかた様の身体のなかに住みついているんです。その羅刹の一部は、たまにおやかた様の身体を乗っ取って自ら動きます。その者は『シラ』と名乗り、シラの力がおやかた様の記憶を蝕んでいる、と。」
乗っ取る…!?
『乗っ取る』という事には見に覚えがあった
この間の…私を操っていた彼女が…!?
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レミィドール - 途中途中、泣きながら読んでいました (2019年5月3日 0時) (レス) id: 104f8ae6d5 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ - 久しぶりに見ましたが、やっぱり最高です! (2018年12月21日 21時) (レス) id: 779ef83f8c (このIDを非表示/違反報告)
キリンロング - とても面白かったです〜(*≧∀≦*) (2018年7月6日 17時) (レス) id: 390c1ef0c5 (このIDを非表示/違反報告)
るーく - いえいえ!あの…!リクエストのことで…!土蜘蛛と大ガマ!以外でもいいですか?okでしたら…酒呑童子と…& 難蛇龍王がいいなと…思いまして…!どうですか? (2018年4月3日 18時) (レス) id: 63408e7496 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - るーくさん» 最後まで見てくださって本当にありがとうございました!るーくさんには本当元気もらいました!なにかリクエストあったら言ってください!作品にさせていただくかもしれません! (2018年3月30日 19時) (レス) id: 4558bdaa92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2018年1月8日 3時