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鬼と人間 ページ40

「私は夕方まで留守にしますね」


しのぶは蝶屋敷を出て、ある場所に向かっていた。

浅草通りを抜けて歩き進むと、行き止まりの壁に足を踏み入れる。


「俺は山本愈史郎だ。
珠世様は中にいらっしゃる」


中に入ると珠世が畳から立ち軽くお辞儀をする。


「初めまして、珠代と申します。
この度はよろしくお願いします」

「……胡蝶しのぶです。こちらこそ」


「おい貴様、お辞儀もできないのか!」


「鬼を敬えとでも?」


「なっ!!珠世様!この者を火炙りに!」

「愈史郎」

「はい!すみません!」


「平気です。当たり前の対応でしょう」

「……早く作って終わらせましょう」

「はい。研究室はこちらです」


研究室に案内されるとしのぶは書物のある棚に目を通した。


「今まで採血し研究した鬼の記録です。
最近の研究レポートはこちらになります。

きっとお役に立つと思うのでご自由に」


「……ありがとうございます」


しのぶは研究レポートをパラパラめくった。
するとある鬼の記録がなされていた。


「一宮、A……」


「彼は半年前ほどここを訪れたんです。
と言っても私たちが拾ったようなものですが…。

その時に採血させて頂きました」


「……」


「Aさんは優しいお方です。
私達が何も言わずとも人間は喰べてはいけないとご自身で認識し、制御なされました。

抗生剤を投与していない普通の鬼には無理ですが、彼は思いが強かった。

きっと鬼になっても
鬼殺隊で活躍されていることでしょう」


「活躍されていましたよ。
今では人間を傷つけるようになりました」

「!?」


「それも兵力のある柱に対してです。
致命傷でないとしても人間を襲ったことに変わりはない。

これで私は死ななければいけなくなりました」


「まさか、
彼が人を襲ったら貴方が責任を取るんですか?」


「はい、そうですよ。
彼を殺して私も腹を切らなければなりません」


「……Aさんが、人間を…」


抗生剤を飲まなかったから人を襲った、と珠世は考えていた。


「さて、研究を始めましょう」


こうして蟲柱は珠世との共同研究を始めた。

残りの鬼殺隊は柱稽古に没頭している。

Aはたまにその様子を覗いていた。
そして鬼殺隊を潰すために自ずと力を身につけていたのだ。





それでもAは、人間を喰わなかった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 胡蝶しのぶ , 男主   
作品ジャンル:恋愛
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ゆう(プロフ) - いやいやそんなこと!次回6話程で完結しますので是非見てください!! (2021年3月11日 0時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - おぉ、なんかいつの間にか凄いことに、どうしたらこんな続きが気になる終わり方が書けるんだ? (2021年3月10日 22時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - ほんと増えましたよね!嬉しい……(泣)見てくれる人がいると自然とニヤけが止まらなくて気持ち悪い顔してます笑 (2021年3月6日 13時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - お気に入り登録一気に増えましたねぇ、どんどん人気になっていく、凄い、、! (2021年3月5日 19時) (レス) id: 9b224ffa84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 頑張りますー! (2021年3月3日 21時) (レス) id: c0465afe59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃゆ | 作成日時:2021年2月19日 21時

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