元、小鳥遊事務所の専属カメラマン。 (ページ13)

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！！(゜ロ゜ノ)ノページ13

某日、波川家、本家にて。

蛍火side

皆様こんにちは。
私は蛍火。琴葉様の前葵継承者であり、現在は侍従として琴葉様のお側にいます。

「そっち掃除終わったかー！！？」

「こっちは手が足りない！何人か来てくれ！」

本日は波川家にとって重要な日。
琴葉お嬢様が恋人をお連れするのです。

当主様に琴葉様からお電話があった際、酷くげんなりされていたのはこのことだったのでしょう。弟君、宏紀様はイライラされたり、落ち込まれたり、空元気になられたり、それはそれは情緒不安定でした。
幼少よりべったりだった姉君が、もしかするとその男性と契りを交わすかもしれないのですから、当然とも言えます。

余談ですが宏紀様の部屋……"姉さん保管室"には琴葉様の雑誌や新聞の切り抜き＿＿いわばスクラップですね。それと、専用のテレビと共にこれまで出演された舞台や番組の予約でビッチリ埋まっております。
「ファンクラブがあったら、自分が１番に入るんだ！」と豪語されていましたが、通われている高校で存在していると知られた時はショックの余り膝をつかれて倒れたほどです。

……話が逸れましたね。
琴葉様の恋人がいらっしゃる、という話は、瞬く間に屋敷中に知れ渡りました。
ある者は卒倒し、ある者は憤慨し、ある者を嘆き悲しみ………あれはきっと門徒の心が１つになった瞬間でした。

―連れてこられる恋人を品定めしてやろう。あわよくば琴葉様に幻滅されて振られればいい―

悪逆無道に追い返すのも候補に上がりましたが、それでは当家の品位が損なわれてしまいますし、当主様による命令で歓迎の意思を示さねばなりません。
琴葉様に嫌われるのは嫌だからです。

「よーし。これでいいだろ」

門徒が着々と準備を終わらせていき、手持ち無沙汰になってきました。
そこに次男、龍馬様がお帰りになられます。

「ただいま。……ちょっと、兄上のとこに案内してくれ」

長期的なお仕事からのお帰りです。
きっとあらかじめ琴葉様のことを伝えられていたのでしょう、真面目な顔をした龍馬様の御荷物を他の者に預け、案内を承ります。

……荒れないといいのですが。