白ひげさん家のマインクラフター

一話 ページ1

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世界的にも有名で大人気な某ゲームマインクラフト略してマイクラ。ごく普通の女性でなんとも面白みのない人生を過ごしている私も実はこれを何年もプレイしている大ファンだった。


いつものようにゲームを起動し洞窟で鉱石の採掘を行っていた時、悲劇は起こった。



｢ぎゃあああっ！クリーパー！！｣



突如上から降ってきたクリーパーに爆破されてしまったのだ…！クリーパー…奴は全マインクラフターの敵、全ロスの悪魔だ。突如現れては背後で自爆し死へと導く緑の爆弾。



｢うぅ…何で上に穴が空いてるんだよぉ…｣



本当に心臓に悪い……実際さっきは驚き反射で目を瞑ってしまった。


目の前にダイヤがあったのにな、アイテム回収できるかな、全ロスなんて笑えないぞ等、周囲の警戒を怠った自分を叱責しながら目を開けた瞬間、ありえない光景が目に入った。



｢…っえ？｣



自室ではなく海と木々が広がっていたのだ。もっと言うなら足元も何故かフローリングではなく砂になっていた。


これが所謂天国なんでしょうか…こういうのって雲の上に楽園が広がってるとか天使がわらわらと愛らしい笑みを浮かべて迎えてくれるとかそういうのじゃないのかよ。


現実逃避？仕方がないじゃないか、目を数秒閉じたら無人島のような場所に居ましたアッハッハ〜って呑気で居られるほど私は順応性が高い訳では無いので。



｢…｣



ここを仮に無人島として、本当に無人島に瞬間移動してしまったとしよう。


そうなると問題は衣食住の確保だ。え、冷静すぎるって？だってこれが夢ではなく現実なら生きるために行動しないといけない。


まず服は現状これ一枚、住居はその辺の木やらなんやらで代用するとして食料が本当に無い。


果物はあるけど現状水は目の前に広がっている海水のみ。うん、飲んだら死ぬなこれは。とりあえず何か口に入れたい。



｢お、良さそうなのあるじゃん｣



海水がダメならヤシの実とか無いかなと思い周りを軽く見渡してみると、明らかに色も模様もおかしいけどりんごのような果物が目に入った。


…これ、食べて大事？いやでもタマゴタケみたいに毒キノコに見えて実は希少食材の場合もあるし、これもその類いだろう。


毒だったらどうしよう。でも喉乾いたよね？うん乾いた。何か飲みたい。目の前には果物。食べるしかない！



｢やばそうだったら吐き出そう…いただきます！｣



毒々しいリンゴもどきを手に取り、私は思い切って一口ガブッとかじった。

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