六十八話 ページ34
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「お頭ァ!?!?」
あの四皇‘‘赤髪’’のシャンクスが娘の言葉一つでこうも簡単に気絶するなんて…相当ショックだったんだろう。まぁ、嫌いになるから発言は少々可哀想だなぁとは思うけど同情はしない。私もちょっとプッチンしたから。
それはシャンクスを黒モビーの甲板に引きずり下ろした所まで遡る。
「久しぶりだね、シャンクス」
「…お、おう。そうだな…」
「Aから聞いたよ?四皇っていうすっごい海賊団になったんだってね!左腕が無くなってるのはビックリだけど、元気そうで良かったよ」
「ウタも…元気そうだな」
散々「海賊なんか嫌いだ」と言っておきながらやっぱり実は会いたがっていて、今もこうして嬉しさが滲み出ているウタ。一方で何とか平静を装おうとしているけれど全く取り繕えていないシャンクス。
何となく予想はしていたけど、やっぱりシャンクスはまだウタを迎えに行く予定は無かったみたい。
ウタをエレジアに置いていったのは何らかの事情…それこそ子供の私達には理解出来ないような大人の事情があったんだろうけど、多分…私なりの予想だと、‘‘海賊’’じゃ無くて‘‘普通’’に生きて欲しかったのかなって思ってる。
だからいつまで経っても迎えに来ない。
こうして十年ぶりに愛娘と再開してもどう接していいか分からない。
「…」
やっぱこの人馬鹿だな。
何も言わずに置いて行っちゃったら、ウタは赤髪海賊団が大好きだったから歪んじゃうに決まってるじゃん。
歪んで、大好きだった海賊を恨んで、家族に嫌悪感を持って。ウタの心は幼いまま成長しちゃったんだ。
「シャンクス」
でも、でもね。ウタは皆の事を一度は恨んだけど、それでもずっと皆の事が大好きだったんだよ。
「言いたいことがあるなら、ちゃんと言いなよ」
私とウタは互いに理解し合って、仲直りしちゃったんだ。だからさ、ちゃんと二人も話し合いなよ。
「ウタはずっとシャンクスを待ってたよ」
「…」
「言いたいことだって沢山あったはず。でも、今はそれを全部我慢して、シャンクスの言葉を待ってる」
このまま誤魔化し続けて‘‘はいじゃあまたね’’なんて私は嫌だよ。シャンクスはウタをまた一人にするつもり?
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マシロ_mashiro(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!やっぱり仲違いしたままは後味が悪いですもんね。最後までご愛読ありがとうございました(*´▽`*) (5月8日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - コメント失礼します! 一気読みしてしまいました。最終的にそれぞれの、気持ちを話し合って和解できて良かったなって思いました。とても、面白かったです!! (5月7日 23時) (レス) @page50 id: 18462604da (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 文ストオタクの一般人さん» 過保護になりすぎないように執筆していたはずなのにいつの間にか…妄想って怖いですね笑、どんどん拡がっちゃいます。ご愛読ありがとうございました! (2023年3月14日 16時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 皆過保護だけどマルコがwwめっちゃ良かった!、、、です! (2023年3月14日 8時) (レス) @page47 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 桔梗さん» そう言っていただけると執筆したかいがありました!最後までお付き合い頂きありがとうございます!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年1月7日 15時