‘‘私’’を見て欲しかった【マルコ】

十八話 ページ20

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分かってはいたけれどいざそういう扱いをされると、心の奥が痛くて苦しくなる。いつになったら私はウタの姉から逃れられるんだろう。


ここに居たくない。



逃げたい。




いきたい(・・・・)。





｢っ……っわ｣




だるさもあってかグラッと体が傾く。それと同時にたまたま波が大きかったのか大きく揺れる船。





どぼんっ




…冷たい、息が出来ない、苦しい。
今にも消えちゃいそうなんだ。



『嬢ちゃんは赤髪…シャンクスや赤髪海賊団の事をどう思ってるんだ？』



あの時の問い…今なら答えれる。
…息苦しかったんだ。
期待するのに、疲れちゃったんだ。





『！…お前、』




＿＿助けて。









＿＿＿＿





｢Aー！！！どこだー！！｣

｢居るなら返事してくれ！！A！！｣




｢ベック！！Aは！？！？｣

｢…見つからなかった。昨夜ずっと甲板に居たなら恐らく海に…｣

｢……っ、A…！！｣




｢…シャンクス、Aは？｣

｢ウタ……っ、Aはな…船を降りたんだ。自分の意思で｣






『うん…わたし、うたのおねえちゃんだもんね。がまんするよ』


『だいじょうぶだよ、ベック。シャンクスは‘‘また今度な’’って言ってくれたから』


『うん、気にしないでシャンクス。私はお姉ちゃんだからね』


『シャ……ううん、なんでもないよ』


『…約束…したのにぃ……！！シャンクスの、嘘つき……！』


『…いいよ、ウタにあげる』


『私は特に欲しいもの無いから、その分ウタに買ってあげてよ』





＿＿どうせ貰っても最終的にウタの物になるんだからさ。





｢っ……A……！！ごめ、ごめんなさい…｣






…大丈夫、もう怒ってないよ。
最初から期待した私が悪かったんだから。

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