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八尺様3 ページ4

side:中原

「太宰、どういうことだ説明しやがれ!」
『…詳しくはAちゃんから聞いてくれ。そっちに織田作が向かってる筈だ』

織田だと?彼奴は4年も前に死んでる筈だ。
突如、窓硝子の向こうで聞こえた銃声。一般人の悲鳴が聞こえた。
こんな時に何だ?

「中原!」
「な、織田…!?手前、何で…」
「説明は後だ。ナイフは持ってるな?この札の裏に自分の血で名前を書け。書いたら、お前の髪を包んでこの人形の中に入れろ。少しの間だが、目くらましになるらしい」

訳が分からない。一体、何が起こってる?
さっきまで女がいた窓硝子の向こうに、死んだ男が現れた。
織田が窓硝子を割り、俺に紙切れと人形を投げて寄越した。

「俺は、お前が終わるまで奴の足止めをする」
「そうだ、あの女…!」

見れば、織田の銃弾を受けて倒れていた。
死んだのか…?否、それにしては様子がおかしい。

「霊破弾には限りがある、急げ!」
「っ、糞!」

あの女の正体が分からない以上、今は、云われた通りにするしかねぇ。
懐からナイフを取り出し、指先を切れば、紅い雫が滴った。
渡された札らしき紙の裏に自分の名前を書き、髪を一本抜いて包んだ。
そこまではいい、だが…

「中に入れろったって、如何しろっつーんだ…」

渡された人形は、何処にでもありそうなぬいぐるみ。中に入れられそうな仕掛けも見当たらない。

ぽ、ぽぽぽ…ぽぽ…

「っ、−!」
「こっちを見るな、身代わりを作ることに専念しろ!」

窓硝子の外では、織田の銃弾を受けて左胸に風穴を開けた女が平然と立っていた。
女の左胸からは、一滴の血も流れていないー。

「考えてる暇はねぇってか…!」

ナイフで人形の腹を裂き、札を綿の中へ押し込む。

「終わったぞ!」
「人形をお前の座席に置くんだ。車を捨てて、事務所へ向かえ。俺もすぐに行く。…くれぐれも、Aに手を出すなよ」
「お、おう?」

本日初めて感じる殺気を、助けに来た男から向けられた。
織田は此方をもう見ちゃいねぇ。
車の中で聞いた銃声は3発。その全てが命中したにもかかわらず、1滴の血も流さないまま女が立っている。ただ、心なしか、動きが遅くなっている気はした。
織田の銃口は依然、女に向けられている。

「すまねぇ…!」
「礼なら、後で芥川に云え」

あの女は、異能力じゃない。確信はないが、直感がそう告げている。
俺を逃がしたという事は、俺の異能じゃその”何か”には対処できないって事だろう。
背を向けて、その場を後にした。

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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時

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